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可視化することでどんなメリットがある?見える化との違いやポイントについて

2025年03月26日
  • 採用のノウハウ

以前より企業では業務の可視化が推奨されていましたが、近年は人的資本経営に注目が集まっていることから、業務に限らず従業員の能力やスキル・志向などの可視化も求められる傾向にあります。

 

なぜ可視化が必要とされるのか?どのように可視化を行えばよいのか?

 

本記事ではそんな可視化について、メリットや具体的な方法、ポイントなどを解説します。業務効率の向上や個々に合わせた適切な人材配置・育成を目指している場合にはぜひご一読ください。

可視化とは

可視化とは、「本来は目で見えず分かりにくい情報を視覚的に表し、目で見て分かる状態にすること」です。たとえば必要なタイミングで確認する際に、すぐに情報を把握できるようにすることを指します。

 

可視化と聞くと業務の可視化を思い浮かべる方が多いと思いますが、業務に限らず、人材の育成や管理においても可視化は必要です。

 

「見える化」との違い

可視化とよく似た言葉に「見える化」があります。この二つの言葉は同じ意味合いとして使われることもありますが、正確には異なる概念です。

 

見える化とは、「分かりにくい物事を客観的に認識可能な状態にすること」を指します。可視化の目的は目に見えない状態のものを見える形にすることですが、見える化の場合は見える状態にするだけでなく、それを活かして改善行動が取れる状態まで構築することが目的です。

 

ただし、使用する場面によっても変わってくるため、必ずしも上記で説明したような意味合いで使われるわけではなく、「見える化=可視化」として扱うケースもあります。

業務を可視化する目的やメリット

業務を可視化するメリットには以下のようなものがあります。

 

業務全体を把握しやすくなる

業務を可視化すると、流れや進捗などの業務全体を一目で把握しやすくなります。一連のプロセスにおける無駄を省くことにもつながり、結果として業務の効率化につなが​​ります。

 

課題や改善点が見つけやすくなる

業務全体を把握しやすくなることは、現状の課題や改善点を見つけやすくなることにもつながります。これによりリソースの有効活用や、適切な人材の検討・配置なども見込めます。

 

業務水準を一定に保つことができる

業務内容が不明瞭のままでは担当者が変わった場合、業務の進行に支障が出る恐れがあります。可視化によって業務内容を明確にすることで属人化を解消し、業務水準を一定に保つことができます。

 

情報の共有がスムーズになる

業務の可視化によって情報の共有もスムーズになり、同じチームや部署に所属するメンバーの状況、パフォーマンスをリアルタイムで把握できます。必要に応じて調整を行うことで、業務効率の向上や従業員の負担軽減などを見込めるでしょう。

 

ヒューマンエラーの防止につながる

前述のとおり業務が可視化されると、課題や改善点の洗い出しをしやすくなります。これにより業務の標準化が行えるため、ヒューマンエラーの防止にもつながります。

従業員の能力やスキル・志向を可視化する目的やメリット

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可視化が推奨されるのは業務のみではありません。従業員の能力やスキル・志向に関しても、可視化することで以下のようなメリットがあります。

 

人的資本経営を推進する上で重要となる

人的資本経営とは、経済産業省によって以下で定義されています。

 

人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方

 

引用:経済産業省「人的資本経営 ~人材の価値を最大限に引き出す~

 

人材は資源の一つとしてみられていましたが、近年では人材とは企業にとって価値の源泉であり、成長に不可欠だということです。

 

そして人材を価値のある「資本」として捉える人的資本経営を進めるためには、従業員一人ひとりの能力やスキル・志向を可視化し、把握することが重要になります。

 

人的資本経営について詳しくは以下の記事を参考にしてください。

>>人的資本経営と人事アセスメント

 

適切な人材配置が行えるようになる

従業員の能力やスキル・志向を可視化することで、個々にマッチする適切な人材配置が行えるようになります。これにより、従業員は能力を発揮しやすくなり、チームのパフォーマンスもアップすることで、生産性の向上を狙えます。

 

一人ひとりの能力に合わせたアサインメントが可能

可視化により従業員の能力やスキル・志向を把握することで、一人ひとりの能力に合わせた業務を任せることも可能になります。

 

自分にあった仕事ができることで、やりがいを感じることができ、従業員のモチベーションの維持や向上にもつながります。

 

円滑なコミュニケーションが可能になる

上司・先輩が後輩の能力やスキル・志向を把握できる、あるいは部署間で互いに共有できる環境では、コミュニケーションが円滑になります。後進の育成や業務効率の向上に効果的です。

 

人材育成の方向性を見極められるようになる

可視化によって従業員ごとの強みや課題・弱みなどを把握することができ、それぞれに合った教育体制を構築することができます。効果的な人材育成が可能になり、企業全体の成長率アップが見込めます。

 

可視化の具体的な方法

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業務や従業員の能力、スキル・志向など、いざ可視化することを検討しても具体的な方法が分からなければ進められません。

 

以下で具体的な方法を解説いたしますので、可視化を進める際の参考にしてください。

 

データを可視化する方法

データを可視化するにはグラフやチャートを利用する方法や、数値別に色分けをする方法などが一般的です。

 

いずれもビジネスシーンで頻繁に使用する基本的かつ代表的な方法であり、押さえておくべきと言えます。

 

特にグラフやチャートは種類が多いため、視覚化したい情報や視覚化の目的に合わせて使い分けられるようにしておきましょう。

 

業務の流れを可視化する方法

業務の流れを可視化するにはフローチャートやマップ、マニュアル作成などの方法があります。これらの方法を活用することで「いつ」「どこで」「誰が」「どのように」仕事をしているかを把握しやすくなります。

 

業務を可視化する際は、まず現場の従業員にヒアリングをして業務を洗い出し、詳細な作業内容を書き出します。そして必要に応じて改善を行いながら、あるいは改善点を洗い出しながらフローチャート、マップ、マニュアルなどにまとめて共有します。

 

従業員の能力やスキル・志向を可視化する方法

従業員の能力やスキル・志向を可視化するにはスキルマップや適性検査の活用などの方法があります。

 

スキルマップは従業員ごとの能力、スキル・志向に関する情報を一覧として見ることができ、人材調整や追加、不足しているスキルの特定、適切な人員配置などに活用できます。

 

適性検査は従業員一人ひとりの個性を詳細に把握するのに役立ちます。データをふまえた配属や異動の検討、上司によるメンバーのマネジメント支援、従業員自身の自己理解やキャリア自律の促進など多様な人事施策への活用が可能です。

 

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可視化する際のポイントや注意点

最後に、可視化に関するポイントや注意点を解説します。今後業務や従業員情報の可視化を検討している場合はぜひご一読ください。

 

可視化の目的を明確化する

可視化を進める際は、「誰のために」「どのような情報を」「どのような形で」可視化するのか、最初に目的を明確にすることが大切です。目的を明確にすることで、需要に沿って不足のない情報を提供・共有できます。

 

全てを可視化する必要はない

可視化によるメリットは多いものの、すべてを可視化しようとすると却って作業効率が悪くなってしまう可能性があります。需要に応じて優先順位付けを行い、コア業務に差し障りのない程度で可視化を実施することが大切です。

 

可視化するための体制を整えておく

情報を可視化する際には従業員の協力が必要になる場面が出てきます。事前に可視化のための体制・環境を整えておき、その旨を従業員にも共有しておきましょう。

 

まとめ

本記事では可視化について、メリットや具体的な方法、ポイントなどを解説しました。

 

業務の可視化はもちろん、従業員の能力やスキル・志向の可視化も企業にとって良い影響をもたらします。さまざまな情報を即座に把握できることで業務効率が向上したり、より効果的な人材配置や人材育成が行えるようになったりするので、可能な範囲内で可視化を進めてみてはいかがでしょうか。

 

形のない「人的資本」の捉え方や可視化する手法についての考え方もあわせて参考にしてください。

>>人的資本経営と人事アセスメント

 

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