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内定者フォロー完全ガイド
内定辞退の防止、
入社前後の育成・定着のための内容・注意点を解説
最終面接が終わり、学生に内定を出して、安心していませんか?
企業にとっても、学生にとっても、内定が出て終わりではありません。内定後のフォロー次第で、新卒採用を両者にとって満足いく形で終えられるかが決まります。さらに言えば、内定者フォローは、入社後の定着や次年度の新卒採用の成否にも関わってきます。
この記事では、なぜ内定者フォローが重要なのか?という基本から、具体的な手法、よくある失敗例まで、徹底的に解説します。どのように内定者をフォローしたらいいかわからない、これまで内定者フォローに力を入れてこなかった、という企業の方はぜひ参考にしてください。
INDEX
1.なぜ内定者フォローが重要なのか
近年、内定者フォローの重要性は着実に高まってきています。背景には、新卒採用市場や学生の行動の変化があります。前提知識を把握しておいたほうが、内定者フォローの目的や効果を理解しやすいかと思いますので、まずはそこから解説します。
1-1.新卒採用の売り手市場が続いているから
リクルートワークス研究所の「ワークス大卒求人倍率調査(2025年卒)」によると、2025年3月卒業予定の大学生・大学院生の求人倍率は「1.75倍」でした。
コロナ禍の影響で2021~2022年卒には下がりましたが、そこから再び右肩上がりになっており、今後も売り手市場が続く傾向が見えています。つまり依然として学生が企業を選ぶ側にあるということです。
ワークス大卒求人倍率調査(2025年卒)|リクルートワークス研究所
https://www.works-i.com/research/works-report/item/240425_recruitment_saiyo_ratio.pdf
1-2.多くの学生が内定取得後も就活を続けるから
就職みらい研究所の「就職プロセス調査(2025年卒)」によると、2024年6月1日の時点で、2025年3月卒業予定の大学生における内定率は82.4%であり、65.9%は2社以上の内定を取得しています。
株式会社ジェイックによる「25卒就活生の内定獲得後の動き」に関するアンケート調査でも「1社目の内定を獲得できた後、他社の選考を受け続けたいと思いますか?(内定獲得済みの方は、他社選考を続けていますか?)」という質問に「思う(続けている)」との回答が78.3%となっており、多くの学生が複数社の内定を取得した上で入社先を検討しようとしていることがわかります。
就職プロセス調査(2025年卒)|就職みらい研究所
https://shushokumirai.recruit.co.jp/wp-content/uploads/2024/06/naitei_25s-20240606.pdf
25卒就活生に「内定獲得後の就職活動」について調査|株式会社ジェイック
https://www.jaic-g.com/news/pressrelease/news-2875/
1-3.新入社員の早期退職が増えているから
厚生労働省が公表している「新規学卒就職者の離職状況」によると、大学卒の就職後3年以内の離職率は十数年間、30%前後で推移しています。つまり新卒入社した社員の約3人に1人は3年以内に辞めるのが当たり前ということです。
また、公益社団法人全国求人情報協会の「入社1 年半時点の就業意識の実態調査」では、新卒入社直後でも「転職意向あり」が29.3%、入社1年半時点では44%となっています。さらに同調査では、就職活動において「入社後のイメージがつかなかった」と答えた人ほど、現在の仕事が「向いていないと感じる」割合が多く、就職活動の内容が入社後の定着に影響することがわかります。
学歴別就職後3年以内離職率の推移|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/11805001/001156476.pdf
入社1 年半時点の就業意識の実態調査|公益社団法人全国求人情報協会
https://www.zenkyukyo.or.jp/wp/wp-content/uploads/2024/03/a13e93387b0da1a2d3f8d1c73f5df8ef.pdf
2.企業側の内定者フォローの目的
前述の新卒採用における背景事情を踏まえて、改めて企業が内定者フォローを行う目的を整理しましょう。多くの方が真っ先に「内定辞退の防止」を思い浮かべるかと思いますが、それだけではありません。内定者フォローには、主に3つの目的が考えられます。
2-1.内定辞退の防止
就職みらい研究所「就職白書2020」によると、新卒採用の1人あたり採用コストは93.6万円とされています。内定を出した学生には、それだけ募集や選考に膨大な手間とコストをかけているわけですから、辞退が出ると大きな損失が生まれます。また内定辞退によって採用目標数に対して不足が生まれてしまったとしても、そう簡単に補充はできません。新卒採用は募集から入社までの期間が長く、内定者フォローはその終盤に位置するからこそ、辞退1人あたりの影響力が非常に大きいということは心に留めておきたいです。
就職白書2020|就職みらい研究所
https://shushokumirai.recruit.co.jp/wp-content/uploads/2020/06/hakusyo2020_01-48_up-1.pdf
2-2.入社後の定着の土台作り
内定者フォローは、入社後の定着にも影響します。新入社員が早期退職してしまう大きな原因は、入社前後のギャップです。内定者に会社の良い面だけを見せるのではなく、入社が近づくにつれて少しずつ仕事や働き方のリアルな側面も伝えておくことで、ギャップを最小限に抑えられます。また入社前から同期や先輩社員とのつながりを作っておけば、新入社員が困難にぶつかっても周囲の人達に支えられて、より定着しやすくなるでしょう。
2-3.次年度に向けた情報収集
意外と見落とされがちなのが、内定者フォローを通じて「新卒採用の情報収集をする」という視点です。内定者は社内にいる誰よりも、最新の就職活動について知っています。どのように就活を進めてきたのか、どんな企業に魅力を感じるか、何が不安なのか、など内定者のリアルな声は翌年の新卒採用に活かせる貴重なヒントです。また「前年度の内定者」という存在は、就活生にとって先輩社員よりも身近に感じられるため、内定者の声をそのまま採用サイトなどのコンテンツとして活用するのも良いでしょう。
3.内定後の学生側の不安と解消法
株式会社ディスコの調査では、入社を間近に控えた学生の91.2%が内定期間中に「不安を感じた」と回答しています。内定者フォローで目指すべきは、そうした不安を解消することです。それが内定辞退防止など企業側の目的を叶えることにつながります。
調査データで⾒る「入社に向けた内定者フォロー」-2023年卒調査-|株式会社ディスコ
https://www.disc.co.jp/wp/wp-content/uploads/2023/08/naiteisyasupport202308.pdf
3-1.内定者は何に不安を感じているのか
先ほどの調査によると、 内定期間中の不安としては、回答が多い順に「仕事についていけるのか」「入社後、人間関係がスムーズにいくか」「社会人の生活リズムに慣れるのか」といった内容が並びました。
内定者が抱える不安は個人差があり、内定直後と入社直前などタイミングによっても異なりますが、大きくは以下の6つに分けて考えられます。
● 仕事内容
● 人間関係や社風
● 働き方や待遇
● 社会人生活
● 会社の経営や将来
● 選考や入社手続き
これらの不安をまとめて一度に解消するのは不可能です。内定者フォローの施策を数回に分けて実施したり、時には個別対応も行いながら、段階的に解消していくことを目指しましょう。
3-2.「仕事内容」に関する不安と解消法
多くの仕事が学生にとっては未経験のため、どんな業務を任されるのか、それに自分はついていけるのか、という不安を抱えることが多いです。こうした「仕事内容」に関する不安に対しては、主に以下の解消法が考えられます。
・改めて人事や先輩社員から仕事内容を詳しく説明する
・実際の業務を見学もしくは体験してもらう
・入社前研修で業務に必要な基礎知識を身につけてもらう
3-3.「人間関係や社風」に関する不安
多くの場合、選考中に学生が接する相手は人事や現場の管理職などに限られています。そのため、一緒に働くことになる先輩社員はどんな人なのか、実際の職場はどのような雰囲気なのか、といった不安が生まれやすいです。こうした「人間関係や社風」に関する不安に対しては、主に以下の解消法が考えられます。
・年次の近い先輩社員と話す機会を用意する
・業務中のオフィスの日常風景を見学してもらう
・入社後に同期となる内定者同士の交流の場を作る
3-4.「働き方や待遇」に関する不安
内定を受けてから、改めて給与や労働時間などを本格的に確認し始める学生も多いです。その中で、ブラック企業じゃないか、他社のほうが待遇が良いのではないか、といった不安が芽生えます。こうした「働き方や待遇」に関する不安は、他の内定者がいる場などでは表立って話しにくいため、主に以下のような個別での対応が必要となります。
・人事から改めて労働条件を説明する
・先輩社員に相談できるような関係性を作る
3-5.「社会人生活」に関する不安
規則的な生活リズムに適応できるか、通勤は大変じゃないかなど、社会人になること自体に不安を抱えている学生も少なくありません。そこから直接的に内定辞退につながるとは考えにくいですが、仕事内容や働き方など他の不安を増幅させてしまう可能性はあります。こうした「社会人生活」に関する不安に対しては、主に以下の解消法が考えられます。
・若手の先輩社員に実態を語ってもらう
・内定者同士で不安を共有できるようにする
3-6.「会社の経営や将来」に関する不安
就活中は仕事内容や職場の雰囲気に目が行きがちですが、内定後その会社に入社するか本気で検討し始めると、安心して長く働いていけそうか、将来的に経営が傾いたりしないだろうか、という不安が芽生えるケースもあります。保護者から内定先の将来性や安定性について聞かれて、それに上手く答えられなかったことで、不安を募らせてしまう場合も多いです。こうした「会社の経営や将来」に関する不安に対しては、主に以下の解消法が考えられます。
・会社の強みや中長期の戦略について改めて説明する
・経営層と直接話す機会を設けて信頼を感じてもらう
・社内報や広報誌などを保護者向けに手渡す
3-7.「入社までの手続き」に関する不安
企業から内定をもらった後には、いつまでに承諾の回答をしなければならないのか、入社までに準備しておくべきものはあるか、などの不安もあります。こうした不安が大きいと、その会社から大切にされていないような印象を与えたり、入社後にも苦労しそうに感じさせてしまう可能性があります。そのため以下のような方法で解消する必要があります。
・メールなどの記録に残る形で対応してほしい内容と期限を明確に伝える
・期限が近づいたらリマインドして遅れが出ないよう促す
・不明点があれば気軽に相談できるような体制を用意する
4.内定者フォローの手法
内定者フォローには様々な手法があります。ここでは代表的なものを紹介します。それぞれ一長一短ありますので、上手く使い分けましょう。事前に決めた内容を同じように繰り返すだけでなく、実施後に内定者の反応を見たり感想を聞いたりして、臨機応変に調整していくことも重要です。
4-1.面談
人事と内定者による1対1の面談は、そこまで準備の負担もかからず、内定者一人ひとりと密にコミュニケーションが取れます。内定者の不安や状況に合わせて話す内容を柔軟に変えやすく、大勢の前では話しにくいことを話せるのもメリットです。一方で、内定者全員に同じ内容を伝えるには非効率ですし、内定者同士や先輩社員とのつながりも生まれないため、そういった場は他に用意すると良いでしょう。
4-2.座談会
何らかのテーマを決めて、内定者同士や先輩社員を交えて話し合います。内容に迷うようであれば、自己紹介や相互理解につながるテーマで話すことをおすすめします。座談会は、将来の同期や先輩と話すことで、一体感や帰属意識が生まれやすいのが大きな利点です。一方で、集団の中では表に出しにくい悩みや不安を抱えている内定者がいることもあるため、一人ひとりの様子を見て、個別の面談でもフォローするようにしましょう。
4-3.懇親会
座談会は基本的に真面目なテーマで話すため、どうしても少し壁ができてしまうことがあります。そうした際は、食事やレクリエーションなど、よりカジュアルな交流の場を用意することで距離を縮められます。ただし懇親会の場が初対面になると、将来の同僚という意識が薄れて、お互い距離感を間違えやすくなるため注意が必要です。事前に座談会などを実施してから懇親会につなげると良いでしょう。
4-4.研修
集合研修、課題、職場見学、仕事体験などは、内定者の会社や仕事に対する理解を深め、入社後の教育をスムーズにする上で役立ちます。ただし内定者はあくまでも学生であり、こうした研修などは、本人の同意を得た上で実施する必要があります。実際の業務に近い内容をさせる場合は、アルバイトとして雇用するなど、不当な労働にならないよう気をつけましょう。
4-5.内定式
社員が一堂に会した場で、内定通知書を授与されたり、経営者からのメッセージを受けたりすることで、内定者は改めてその会社の一員となる実感を得ます。内定式は帰属意識を高めるという点で効果的であり、歓迎の姿勢も示しやすいですが、あまりに形式ばった内容だと退屈な時間に感じられてしまう可能性があるため注意が必要です。
4-6.社内報・広報誌
社内報や広報誌には、経営や事業に関する報告、社員や部署の紹介、社内イベントのレポート、取引先の声・インタビューなど、会社や仕事についての理解を促す情報が詰まっています。紙で発行されていれば、内定者から保護者へ手渡しやすく、「きちんとした会社」という信頼感も生まれやすいです。ただし社内報や広報誌は内定者向けに作られたものではなく、社員や関係者でなければわかりにくい内容なども含まれるため、あくまでも補助的に活用するのが良いでしょう。また社内報を渡す場合は、機密情報が載っていないかも注意する必要があります。
4-7.メール・チャット
ここまで書いてきたような面談やイベントだけでなく、メールやチャットによる連絡も非常に重要な内定者フォローの手法です。内定を出したあとに連絡がなくなると内定者が不安を感じる可能性があるため、次のステップまでの流れを明確に伝えて、定期的にコミュニケーションを取りましょう。あらかじめ他社の最終面接の日時や内定承諾の期限を内定者から聞いておき、先回りして連絡することをおすすめします。
4-8.対面とオンラインどちらで実施するか
近年、内定者フォローをオンラインで実施するケースも増えています。たとえば面談や座談会などをオンラインで実施すれば、企業側としては会場の準備などの手間がなくなりますし、学生側としても大学生活の合間をぬって参加しやすくなります。
一方で、内定者同士や先輩社員を交えた複数人で気軽に話したり、仕事や職場の雰囲気を味わったりすることは、オンラインだと難しいです。どちらかに偏るのではなく、交流や体験など対面でやるべき内容を見極めて、上手くオンラインと使い分けられると良いでしょう。
5.内定者フォローのために準備しておくこと
内定者フォローの質を高めるためには、事前準備が重要です。ここでは内定者フォローを計画・実施する前に、やっておくと良いことを3つ紹介します。
5-1.内定者一人ひとりのプロフィールを振り返る
新卒採用も終盤になると記憶が薄れてきたり混同したりしてきますので、まずは内定者それぞれの情報を改めて振り返りましょう。エントリーシートには何を書いていたか、面接では何を話していたか、他にどのような会社を受けているか、現在の就職活動の状況はどうか、など一つひとつの情報が内定者フォローのヒントになります。特に、他社と迷っていそうだったり、何か不安を抱えていそうな内定者がいれば、個別で手厚く対応することも検討します。
5-2.適性検査の結果を分析する
選考で適性検査を実施していた場合は、その結果を内定者フォローに活用できます。適性検査の結果には、主に3つの使い方があります。
5-2-1.内定者のグループ分けに使う
適性検査の結果からは、性格の大まかな傾向が読み取れます。座談会や研修などで内定者をグループ分けする際に、その情報が役立ちます。先輩社員が参加する場合も、内定者と合いそうな人を選びやすくなります。たとえば初対面の場では性格の傾向が似ている人同士を同じグループにして、回を重ねるごとに性格が遠い人とも交流していけるようにグループを設計すると、スムーズに関係性を構築できる可能性が高まるでしょう。
5-2-2.座談会のワークの題材にする
適性検査の結果は、座談会などで内定者の自己分析・相互理解を深めるための題材としても活用できます。やり方の例としては、まず内定者を集めて一人ひとりに自分の適性検査の結果を渡します。そして結果の中で「特に当てはまっていると感じた点」と「象徴的な過去のエピソード」を話してもらいます。すると、話を聞いた他の内定者はその人がどんな性格なのかよくわかりますし、本人も改めて自分の性格への理解を深めることができます。
5-2-3.個別面談の参考資料にする
個別面談においては、適性検査の結果が内定者の納得度を高めるための「根拠」になります。なぜ採用を決めたのか、入社後にどんな活躍を期待しているか、配属はどの部署を想定しているか、などを内定後の個別面談で伝えるケースがあるかと思います。その際に、採用担当の主観だけでなく、適性検査の結果という客観的なデータも合わせて話せると、内定者の納得感が高まります。
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5-3.先輩社員に目的と注意点を伝える
内定者フォローでは、座談会や懇親会などで普段は新卒採用に関わっていない先輩社員にも協力をお願いすることがあります。しかし、多くの社員は内定者とのコミュニケーションに慣れていないため、距離感を間違えてしまったり、悪意はなくともネガティブに聞こえる内容を話してしまったりするケースも多いです。
そのため内定者フォローへの協力を社員にお願いする際には、何を目的に座談会や懇親会を行うのか、内定者はどんな人達なのか、どのような発言や行動に注意してほしいのか、などを事前に伝えておきましょう。
6.内定者フォローによくある間違い
最後に、内定者フォローでよくある失敗パターンをいくつか紹介します。同じような間違いをしていないか、チェックしてみてください。
6-1.どの内定者にも同じ対応をしている
内定者ごとに、抱えている不安やフォローに求める内容は異なります。入社前に会社とたくさん関わりを持ちたい人もいれば、学生生活を思う存分楽しみたい人もいるでしょう。全員に画一的な対応をしていると、それが合わない人も必ず出てきます。内定者は一人ひとり違う存在だという前提を持ち、全体への連絡や交流などはしつつも、可能な限り個別でのフォローも行いましょう。
6-2.目的もなく内定者を集めている
とにかく内定者との接点を持てば会社への好感度が高まるだろう、内定者を集めれば仲良くなるだろう、という考えは間違いです。内定者は様々な不安を抱える中で、入社先について真剣に考えています。人事と意味もなく雑談したり、他の内定者と友達になりたいわけではありません。ただ飲み会を開くのではなく、面談や座談会など何をするにしても、必ず目的やテーマを企業側が設定しましょう。
6-3.回数が多すぎる・拘束時間が長すぎる
学生との接点が増えるほど距離が縮まりやすい・印象に残りやすい、というのは間違いではありません。ただし、やりすぎは逆効果です。多くの内定者は、やっと就職活動が終わって残りの大学生活を楽しみたいと考えています。いくつかは任意参加にする、不安そうな子は個別でフォローする、対面じゃなくてもいいものはオンラインにする、など可能な限り学生の負担を下げられるよう工夫しましょう。
6-4.内定者を労働力として扱っている
内定者にアルバイトとして働いてもらうことは、仕事や職場の雰囲気を感じ取ってもらうという目的では非常に有効です。しかし、その目的を忘れてはなりません。人手が足りないからといって大変な仕事を押し付けたり、入社後の業務とは関係が薄い単純作業ばかり任せたりすると、むしろ会社に対するイメージを損ねてしまいます。
6-5.会社の理念や都合を一方的に押しつけている
企業理念やビジョンを内定者にも早く理解してもらいたいという想いはわかりますが、内定をもらった時点では仕事内容や人間関係への不安が強く、そうした内容を一方的に伝えられても頭に入らない可能性が高いです。まずは内定者の不安を解消することを優先し、入社後に伝える形でも問題ない内容と区別しましょう。
6-6.先輩社員に任せきりにしている
先輩社員は内定者にリアルな情報を伝えてくれる存在ですが、うっかり会社への愚痴やネガティブな発言をしてしまうケースも多いです。逆に、歓迎したい気持ちが強く出すぎて、内定者からするとプレッシャーを感じてしまうこともあります。内定者フォローに先輩社員の協力をお願いするのであれば、任せきりにせず事前に十分な説明をした上で、座談会などの場では人事が先輩社員の発言や行動をカバーできるように動きましょう。
6-7.感想を聞いたり振り返りができていない
もしここまで書かれたような間違いをしてしまっていても、内定者から毎回感想を聞いていれば、途中から軌道修正することが可能です。内定者の中には、本当は不満や不安を感じていても、人事や先輩社員の前では表に出さない人もいます。そのため必ず感想を聞いて振り返るようにしていないと、上手くフォローできているように見えたのに、急に内定辞退が発生するようなこともあるため注意が必要です。
7.まとめ
ここまで内定者フォローの重要性や具体的な方法について解説してきました。すべての内容を覚えて、実行できるようになる必要はありません。まずは内定者が様々な不安を抱えていることを知り、それを解消するために何ができるか考えるところから始めてみてください。