導入事例

応募者の「魅力」を最大限に引き出す
~出会えて良かったを実現する採用とは~

サッポロビール株式会社
大卒採用
目的・課題

早期離職をなくす

面接でのマッチング精度の向上

SPI3の
活用方法

SPIデータを分析し、求める人財像を明確化

SPIを基に、面接官に「より魅力を引き出せる」質問事項をアドバイス

効果

エントリーシートには書かれていない、応募者の隠れた魅力を数多く引き出せた

互いにとってのミスマッチ防止と魅力の新発見につながる選考を実現

採用を通して「サッポロビールに出会えて良かった」を実現したい

私はサッポロビールに新卒入社し、まずは社名の由来でもある「札幌」で営業職を経験。その後、2022年4月に人事部に異動しました。

人事部への異動はかねてよりの希望でした。私は学生時代に、部活動などの経験を踏まえ、「人」を重視した就職活動をしていたのですが、そのなかで、サッポロビールの社員の方から伝わってくる「商材の力だけでなく、プラスアルファで人に喜びを与えたい」という熱い想いに触れ、「この人たちと働きたい! この人たちを支援したい!」と思い、入社を決めました。なので入社してからは、まずは皆と一緒に社外のお客様にサッポロビールの魅力を伝える仕事をし、その次は人事としてサッポロビールで働く皆を支えたいと思って働いていたのです。

人事部のなかでの私の役割は採用です。近年だと、当社は新卒採用とキャリア採用を合わせて年間100名ほどの方々を新たにお迎えしています。採用チームは私を含め5名ですが、今年度の採用からは入社後の育成までを視野に入れ、より連動性を高めるために若手育成チームと密に連携しながら活動しています。

私たちは、採用活動を「会社そのもののファンづくり」だと捉えています。単なる選ぶ・選ばれる場ではなく、より多くの方々に「サッポロビールと出会えて良かった」と思っていただける機会にすることを目指しています。

早期離職が起きないためには? 採用活動での悩み

当社では、もともと早期離職の数は多くありません。それは、採用時に入社後の育成のことも考えながら選考を実施していることに拠るところが大きいと思います。しかし、0人というわけでもありません。もともとの人数が少ないだけに、たった1人でも社内外への影響は大きく、私たち人事としては社員全員が充実して働けるよう、できることを日々考え続けています。

例えば、ひと口に離職といっても理由はさまざまです。当社で培った経験やスキルをもとに、グループ内に存在しない新しい領域でチャレンジしたいという前向きな理由であれば、私たちとしてはむしろ応援すべきかもしれません。一方、職務や環境へのフィットがかなわず短期間で離職を決断するという場面に遭遇すると、採用担当としては「採用時に何かできることはなかっただろうか」と考えこんでしまいます。

このような悩みをリクルートマネジメントソリューションズに相談するなかで、「まずは“サッポロビールらしさ”“サッポロビールで活躍する人”の特徴をあらためて明確にすることが大事だ」と思い、SPIデータを使った分析を実施しました。

SPIデータの分析で見えた「サッポロビールらしさ」

分析してみると、想像以上にさまざまな特徴が明らかになりました。そのなかでも、あらためてハッとしたのは、活躍者の特徴に「サッポロビールらしさ」がうかがえたことでした。

お酒離れが激しいといわれている昨今の酒類業界では、今までと同じやり方では通用しないことも多くなっています。そうした厳しい環境のなかでも、既成概念にとらわれず、新しいモノづくりに取り組んでいく開拓者精神はサッポロビールの魂であり、原点です。

こうしたサッポロビールが大事にしていることやサッポロビールの風土が、社員のSPIデータを分析することでハッキリと浮かび上がってきたのです。その正確さには驚かされましたし、とても納得感のあるものでした。

応募者に多様な可能性を見出し、魅力を引き出す

分析で明らかになった事柄は、人事から面接官への申し送り事項の1つとして活用しています。さらに面接官に対しては、応募者一人ひとりのSPIの結果を用いて「この方にはこういった魅力がありそうなので、ぜひそれを生かして困難を乗り越えたエピソードなどを聞いてみてください」と、具体的な質問項目に落とし込んだ情報提供も行っています。

それが良い結果を生んだことがまさにあったのです。

ある応募者について、SPIの結果では「前例のない課題」に対する適性が高く出ていたのですが、エントリーシートにはそれを示すようなエピソードは書かれていませんでした。そこで、面接官に事前に「前例のない課題に挑戦した経験をお持ちかもしれないので、ぜひ尋ねてみてください」とアドバイスしたところ、非常に素晴らしいエピソードが引き出せた、とのことでした。

私たちにとってのSPIは、あくまでサポートツールであり、決してそれ自体で合否を決めるものではありません。しかし、うまく活用すれば表面上には見えていない、応募者の「隠れた魅力」を引き出してあげることもできる。私たち企業側の使い方次第では、応募者の多様な可能性を信じ、魅力を見出すための貴重な情報源になると思っています。

面接官と人事が一体となるための橋渡し役としてのSPI

これらは本年度からの取り組みなので、具体的な成果を確認できるようになるまでにはまだしばらくかかりますが、例えば面接官からは、「サッポロビールらしい人間味のあるコミュニケーションができた」「もらったアドバイスが的確で質問の引き出しをたくさん増やすことができた」「久しぶりの面接で不安だったが助かった」など実に多くの良い反応をもらっています。

私自身、役員や部長をはじめとする面接官に申し送りをすることについて、最初はためらう気持ちもありました。しかし、実際に面接後に皆さんからの感謝の言葉を聞くなかで、逆に今までどれだけ面接官に不安な状態で臨ませてしまっていたのかを痛感しました。今では、SPIが人事と面接官、応募者の橋渡しをしてくれているおかげで、 「皆さんと一緒に採用を頑張ろう」という力強い一体感を感じられています。

採用から育成までの連携で「出会えて良かった」の実現へ

当社は「多彩な“らしさ”を輝かせ 未来をカイタクするイノベーション集団となる」という人財戦略を掲げており、私たち人事は社員それぞれの魅力を引き出し、それを力として発揮できる環境をつくることを目指しています。

この目標を実現するためには、まずは一人ひとりへの理解が重要になります。例えば、せっかく採用時点でその人のことを深く理解できたとしても、入社後に引き継がれなければ意味がありません。採用担当の仕事は「採用して終わり」ではなく、採用された人が持つポテンシャルを入社後も含めて引き出してあげることだと思っています。これから始まる次年度の採用では、より一層、育成チームとの連携を深めていく予定です。

その場面でもSPIは役に立つと思っています。これまでも配属先の上司にSPIの結果を共有して育成の参考にしてもらっていたのですが、今後は面接場面で面接官に実施したのと同じように、よりその人の魅力を引き出し、成長につながりやすくなるような情報提供をしていきたいと考えています。

「SPIの活用」と聞くと、ドライな印象を持たれる方もいるかもしれません。しかしSPIは上手に使えば、見えないモノを見えるようにし、一人ひとりの「多彩な“らしさ”」を輝かせるための強力なサポートツールになると思っています。

こうしたツールの力も借りつつ、サッポロビールらしい「人との関わり」を軸に据え、採用活動のさまざまなシーンで、応募者にとっても私たちにとっても「出会えて良かった」と思えるワクワクな体験を創っていきたいですね。

人事部  竹内 利英 様  今村 友希乃 様

サッポロビール株式会社

従業員数:
2,156名(2023年12月現在)
業種:
食料品 
課題:
  • 人材要件設計
  • 面接
  • 内定者フォロー

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