
株式会社河合楽器製作所

- 従業員数:
- 2,977名 (2024年3月実績)(海外グループ含む)
- 業種:
- 製造
- 課題:
- 初期選考
- 面接
SPI3活用で採用候補者の負担軽減と採用工数削減
~一人ひとりに向き合う採用・育成を目指して~
採用における候補者の負担軽減と人事内での事務工数の削減
適性検査を市販のもの(紙媒体)からSPI3(WEB実施)に切り替えた
面接官が質問を考えるための参考情報としてSPI3結果を事前共有
面接後の合否判断で意見をすり合わせる際の定量的な補足情報として活用
採用選考における候補者の負担軽減につながった
人事内での面接後の合否判断の正確性の向上と迅速化につながった
私は弊社に人事として中途入社し、今は中途採用と若手社員の育成をメインで担当しています。前職では鉄道会社の保険事業部で営業をしていたのですが、大学では人的資本経営のゼミに所属しており、社会人になってからも人事には常に高い関心を持ち続けていました。そこで30歳を前に人事へのキャリアチェンジを決意し、当時、人事の募集があり、地元の有名企業で幼い頃からの身近な存在でもあった弊社に転職しました。
入社前に抱いていた弊社のイメージは、製造業ということもあり、技術者・職人集団といったものでした。実際に入社してみても、そのイメージ通り、皆、確かな技術とともに高い誇りと責任感を持って働いていると感じます。しかし、だからと言って固い・怖いというわけではなく、経営理念にもある「社員を大切にし、明るい企業をめざす」を体現するような、温かく、優しい方々ばかりです。
私は人事未経験かつ中途入社ということもあり、入社以来、主に知識不足の面で悩むこともありました。しかし、周囲の社員の方々の支えのお陰で、これまで人間関係では一切悩むことなく、人事業務に全力で向き合うことができています。そうした弊社での自身の実体験から得られた「企業の根幹は人財である」という信念を胸に、日々、弊社と弊社で働く皆のためのより良い採用・育成を追求しています。
弊社は、2027年に創業100周年を迎えます。それは大きな節目であると同時に、その次の100年もピアノや他の様々な分野で世界中の皆様に「感動」をお届けしていく旅の始まりでもあります。人事としても、次の100年を力強く歩んでいただける仲間を得るべく、近年は新卒採用とともに中途採用にも注力しています。
中途採用に関しては、実は数年前までは退職者が出たタイミングのみで実施していたため、年間数名程度にとどまっていました。しかし、ここ2年は年間約20名の方々をお迎えしています。今後も、特に若手と管理職をつなぐミドル層を中心に採用を強化していく予定です。
また、これまで以上に多くの方に入社いただくにあたり、選考時や入社後のサポートの充実も図っています。ここでは私自身の中途採用の選考や入社後のオンボーディングにおける実体験も活かし、弊社を選んでいただいた方々にとって、より良い方法・環境の構築を常に考え、実践しています。
SPI3は2019年から利用し始めました。それ以前は、市販の職業適性検査を用いていたのですが、紙での実施だったため、受検のためには弊社に来ていただく必要がありました。ご不便とお手間をおかけすることに対して毎回心苦しく思うとともに、弊社としても受検会場の設営や受検時は監督業務を行うといった事務作業に追われ、本来行うべき、採用候補者の方々にしっかりと向き合うための時間が圧迫されてしまっていることには問題を感じていました。
SPI3を導入したことで、適性検査をWEB上で実施でき、任意の時間・場所で受検いただけるようになったため、採用候補者への負担は各段に減らせたのではないかと思います。私たちとしても、受検に係る工数が減り、また受検いただいた後はすぐにその結果を閲覧できるようになったため、採用候補者一人ひとりの弊社での活躍について考えることに、以前よりも多くの時間を費やせています。
また、測定の質の面でも、以前利用していた市販の適性検査と比較してSPI3の測定精度は非常に高いと感じています。実際に、自身や社内のメンバーの測定結果とこれまで感じてきた印象を比べてみても、合致度や納得感は高く、安心して使い続けてきました。
弊社では新卒採用、中途採用ともに、SPI3を面接場面で活用しています。
弊社では、面接官には自身が面接する採用候補者についての情報をまとめて事前に共有しているのですが、その中にはSPI3の結果も入れています。面接官の中には久しく面接を行っていない、或いは面接経験が浅いということで不安を感じる人もいます。また、面接官は自身の現場での業務の合間を縫って面接に参加しているため、人事としては、面接官が面接前の準備の中で短時間で適格に候補者の特徴を把握できるようサポートする必要があります。
そこで、私たちはSPI3を補助ツールとしてお渡ししています。SPI3の結果報告書には非常に詳細に候補者の性格や職務適性に関する測定結果が記載されています。また、単なる数値だけでなく、それらを活用して面接や育成におけるコミュニケーションを図る上でのヒントも記載されています。なので、これらの情報も使いながら、万全の準備とともに面接に不安なく望んでいただきたいという思いで共有しています。実際に面接官からも、特に「面接での質問例」や「性格特徴」の箇所は参考になったという声が挙がっており、ありがたく思っています。
また、SPI3は面接結果を整理する上でも役立っています。
例えば、弊社では最終面接後は役員や部長が集まり、面接の内容を踏まえながら一人ひとりについて内定判断を行っていくのですが、かつては場合により、意見のすり合わせが長時間に及ぶことがありました。しかし、SPI3を導入してからは、面接での印象という定性面での見解に相違が生じた際には、SPI3による客観的かつ定量的な情報からも確認してみるといった方法で、より短時間で確実な合意形成につなげられています。
選考通過や内定の判断がより迅速化したことで、採用候補者には長い時間お待たせすることなくご連絡ができるようになりました。こちらも上述の適性検査のWEB化と同様、採用候補者の方々のご不安やご負担の軽減につながっているのではないかと思います。
今後に関しては、創業100周年の次の100年に向け、人事としてやりたいことが沢山あります。SPI3に関することで言えば、今は主に採用場面で活用していますが、育成場面でも活用していきたいと考えています。
例えば、若手社員向けの研修の中で自身のSPI3の結果を見て自己理解を深めてもらうことで、キャリアの方向性を考えるきっかけにしたいと考えています。また、新入社員の配属検討においては、配属候補となる部署の方々や上司のSPI3の結果と見比べつつ、相性について解像度高く想像できるようになれば、ミスマッチや早期離職のリスクを減らせるのではないかと考えています。
最後に、採用選考においては、どうしても選ぶ側、選ばれる側という見られ方をしてしまう面はありますが、私たちとしては出来うる限り対等であるべきと考えています。数多の企業の中から、弊社を選び、選考を受けに来ていただいているのはそれだけで奇跡であり、だからこそすべての出会いを大切にしたいと思っています。残念ながらご縁が無かった方も含め、互いに納得し、弊社との関わりが有意義な時間となるよう、今後もより良い形を追求していきます。