株式会社フジワラテクノアート
- 従業員数:
- 145名(2022年4月時点)
- 業種:
- 製造
- 課題:
- 面接
導入1年で社内からSPIに期待の声。面接での活用で、確認したいことを漏らさず聞けました。
自社で一般教養を見るためのテストを作って応募者に受けてもらっていたが、 そのテストでは性格や人柄を知ることができないため、適性検査を導入したいと思った。
面接で来社した際に実施。面接の前にSPIを実施することで、その場ですぐに結果を確認。面接中はSPIを手元に置きながら質問の参考にしている。
応募者の性格をとにかく細かく知ることができる。チェックポイントに目を通しておくことで「確認しておくべき観点」の聞き漏らしを防げた。
10年くらい前から、自社で作成したテストを使っていました。国語、数学、英語など一般教養と、それから作文ですね。長く使っていたのですが、このテストの内容では応募者の内面的なところがあまりよく分からなくて。確かに国語であったり、英語であったり、そういう知識の問題がどれだけできるかはわかるけれども、「得点が高い」「成績がよい」というのが必ずしも入社した後に活躍できるわけではない。ただ「勉強ができればいい」というものではないですもんね。そこで、もっと人柄や潜在能力といったものがわかるものを使いたいと思いまして、SPIを検討しました。
言いにくいのですが、選考のときのテストの成績は非常に良かったけれども、採用してみたら「あれ?」と思う人がいて。そういう経験を経て、もう少し性格的な部分も採用の際に見られればいいのに、と思っていました。新卒ですと、働いた経験がないわけですから、学歴ではどんな仕事に向いているのか判断できないですし、職歴のある中途採用でも、経歴や今まで経験してきた仕事内容を見たところで、うちで活躍してくれるかは結局のところわからないと思いました。弊社では役員および社長が最終面接を行うのですが、上長たちも面接を行う中でその課題を感じていて、性格検査を導入したいと考えていたようです。
いまは、インハウス*1で実施しています。来社して同じ環境、同じパソコンで受検するという形ですから、公平でいいなと思いました。採用の流れとしては、就職メディアなどを通じて募集をかけて、その次に説明会に来てもらいます。1次面接を合格しますと、弊社に来てもらって、2次面接の前にSPIを受検してもらうようにしています。SPIの結果は2次面接と最終面接のときに手元に置いて確認しています。
*1インハウス:インハウスCBTの略称。企業の用意したパソコンで受検するSPIの実施方法のひとつ。来社して受検してもらうため面接と同日に実施できる。受検者の負荷が少なく結果を受検後すぐに確認できるため、中途採用で特に人気がある。
面接ではチェックポイントを重点的に見ていました。「この受検者にはこういう性格の特徴があります。この特徴が悪く出てしまった場合、こういう振る舞いをすることがあります」というふうに、細かく特徴が出てくることに驚きました。「この人は入社した後にこういう部分で苦労するかもしれません」といったことも、全部出てきますよね。いや、ほんとうに素晴らしいと思って。
面接中に見るべき観点がわかるのもいいです。こちらの質問に対する返し方や、答えた内容からして、「あ、こういう特徴があるから、そんなふうに考えるのね」と気付ける、というか。事前にSPIを受検してもらっておくと、それをもとに「ここも見ておかないといけないんだな」という外せないポイントがわかるので、安心して面接に臨めます。何を聞けばいいのか迷わないというか、聞きたいことに対して一直線に進める感じがします。
面接者についていうと、SPIを導入する前は、面接者がそれぞれ応募者にどんな質問をするか考えていました。面接者は「テストの得点も高いし、この子はきっとこういう子じゃないか」とか、「この人は面接ではこうだった」とか、それぞれ思うところがあるので、採用するかどうか意見が合わないこともありました。
でも、SPIを導入してからはSPIを見て質問するようになり、テストの得点だけで見るよりも、面接者同士の視点が揃いやすく、採否の判断がしやすいです。報告書がわかりやすく、誰が見ても読み取りやすいというのもよい点です。担当になった面接者は面接前に「SPIの結果はどうだったの?」と私たちに尋ねてきてくれます。まだ使い始めて1年足らずなのですが、使い方も浸透していますし、結果を頼りにしているようですね。
そうですね。応募者の強みや弱みを知るといいますか、「この人はこういう部分が強いところだ」というのが具体的にわかり、よいと思います。SPIを使ってみていいなと思ったのは、その人のポテンシャルというか、可能性に目を向けられるところです。たとえば中途採用ですと、自分が得意とする分野があって、その上で希望をもって応募してこられる方ももちろんいらっしゃいます。でも、そういう人でも「この人はこの部署に配属しても大丈夫そうだ」とか、「こういう強みがあるから、あちらの部署でその強みを活かせるんじゃないか」とかいうふうに、先入観を持たないで採用後をイメージすることができます。
以前、自社で作ったテストを使っていたときは、どうしてもテストでの得点の高さ、出身大学、出身学部、経歴などで先入観を持ってしまっていたところがありました。もちろんSPIを使う際も、SPIの結果を鵜呑みしてしまってはいけませんが、いまは、面接での印象やお話の内容と照らして確認するようにしています。
難しさはあまり感じていません。ただ、やはり聞き方なども限られますので、面接で気を付けてはいます。加えて、面接のときにはみんなとても緊張していますし、学生の本音が見えにくいというのは、やはりありますね。実際に入社してみると「あれ?面接のときと随分印象が違うな」なんてことがあったりします。たとえば、面接の時に緊張していたのか、おとなしい印象だった子が、入社していろんな人と接する中で慣れてくると、だんだんその子らしさが出てくることも。見ていて面白いなと思いますね。
そういえば、SPIを導入する前なのですが、こんな話があります。高卒採用で入社した子なのですが、入社2年目から仕事の仕方や人との接し方が、突然大きく変わりました。周りも驚いて、急にどうしたのかって。何かきっかけがあったのかもしれないし、万が一よくないことがあって気持ちが落ち着かないようなことがあるなら、何か力になれることはないかと思って、出身高校の先生に思い当たるところはないかと話を聞きに行きました。そうしたら、その先生が「いまの姿がほんとうの姿です」と言うんです。「きっと入社して1年間、ずっと気を張っていたのだろう。本来の自分とは違う自分を演じて、期待されているから120%を見せなきゃと思って力んでいたのかもしれない」と。「今の姿がほんとうの姿なので普通です。大丈夫ですよ」と言われて。いや、ほんとうに驚きました。最近は会社に慣れてきたらしく、ときどき話す内線電話越しの声も明るいもので、安心しています。こうやっていろんな人と接して働く中で、本人も変わってくるのですね。
応募者が面接で話すこととまったく同じ内容がSPIに出てくる。このときは、これだけはっきりわかるんだと思って、すごく驚きました。
その方は高卒の就職活動としては少し遅いかなという時期に応募してきてくれました。人とコミュニケーションを取るのはちょっと苦手だけれども、コツコツと頑張ることができる方でした。「コミュニケーションが苦手であるゆえに、自分はこういうところに強みがある」というふうに履歴書に書いていました。本人の口からも「慎重な性格だが、勇気を出して一歩踏み出すタイプだ」と聞きまして、SPIの結果を見てみると「どちらかというと挑戦は好まず、石橋を叩いて渡る慎重な面がある」と書いてある。なるほど、SPIの結果の通りだなと思いました。応募者に対しても、自分のことを自分でよく理解した上で、それを乗り越えようとしている素直な方だなという印象を持ちました。応募が遅れた理由ははっきりと聞けなかったのですが、慎重な性格の人ですから、進学しようか就職しようかと迷ってしまったんじゃないかな、自分がどこに就職したいかわからなくて一生懸命考えていたのかもしれないなと思って。
高校生のときに、「就職する」という決断するというのは、とても難しいことだと思います。高校卒業して入ってきてくれる子たちは、未知の可能性を秘めた子たちです。ほんとうに、宝物だなと思っています。うちに入ってきてくれたからには、元気に前向きに頑張ってほしい。大切に見守っていこうと思っています。