お役立ちコラム

企業・応募者にとって公平公正な受検機会を提供する
~テストセンター「オンライン会場」設置の背景~

2023年01月27日
  • SPI3の特徴

新型コロナウィルスの影響、ビジネスのオンライン化・デジタル化に伴い、企業の採用活動はあらゆるプロセスでオンラインに移行してきました。また、応募者からも自宅にいながら適性検査を受検できる環境を求める声が増えていきました。そうした環境変化を踏まえ、弊社では20221011日受検分より、テストセンターサービスの一会場として「オンライン会場」を設置しました。

オンライン会場とは、応募者が直接会場に足を運ばなくても、自宅などから専用のシステムを通して、有人監督のもと、本人認証・受検環境の確認・受検中の態度など、対面会場同等の環境で適性検査を受検いただける仕組みです。

このオンライン会場新設の背景について、弊社HRアセスメントソリューション統括部 統括部長の園田 友樹と開発責任者である同アセスメントサービス開発部 マネジャーの池田 聡に話を聞きました。

テストセンターの一会場としてオンライン会場を設置した背景を
お聞かせください。

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園田:

大きなきっかけはやはり新型コロナウィルスの感染拡大です。以前から弊社ではテストセンターを主力に、本人認証や受検監督を含めた公正な受検機会の提供に努めてきました。しかし新型コロナウィルスの流行により一時的に対面会場を閉鎖した期間があったのですが、その期間中、応募者・企業の双方にご不便をおかけし、公平公正な受検機会を十分に提供できなかった、と強い課題感を持ちました。

採用活動・就職活動が、これまでの対面を前提としたものから、オンラインで完結する前提に、当たり前の基準が一気に変化した、と感じました。
適性検査サービスについても、対面会場に足を運んで受検することが当たり前ではなく、場所や時間を選ばずにご自宅でも受検完了できることが当たり前になった際に、自分たちができることにスピーディに取り組みたいと考えたところが会場新設を検討した背景です。

お客様である企業人事のみなさまからも、「この環境下の中でも応募者が安心して受検できる環境を提供したい」という声も多く頂きましたし、サービスをご提供する我々としても同じ思いです。企業・応募者双方にとって、安心して受検できる環境づくり、公平公正な受検機会の提供により尽力していきたい、と考えています。
 

応募者・企業双方にとって安心で公平公正な受検機会の提供に向けた、
サービスの改善ということですね。

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池田:

これまでのテストセンターサービスでも、時期やエリアによっては、自宅から対面会場まで距離がある応募者の方の不便さは解消しきれず、忸怩たる思いがありました。特にコロナ禍では移動することについてのハードルも上がりましたので、オンライン会場の新設をもって、その課題を解決したい、と考えました。
 

オンライン会場の新設では、どのような点に注力されましたか?

池田:
サービス開発において注力したのは、対面会場で目の前に監督がいる状態と同じ水準で不正検知ができることです。応募者にとっても、企業にとっても、オンラインであってもしっかり不正を検知できる、公平公正な受検結果が採用活動に活かされることは重要であり、外せないポイントだと考えました。そしてさまざまな議論を経てリクルートマネジメントソリューションズでは、オンライン会場で有人監督という手法を選択しました。
 

なぜ、有人監督を採用したのでしょうか?

池田:
例えばAIやシステムによる検知と比較して、有人監督であれば、気になる点がある際に、「状況を確認させてほしい」と声をかけ、その場で状況を確認できることは、不正行為の検知・判断を、根拠をもって行うという観点で非常に重要だと考えました。またこのことによって、人事の方が後追いで録画データを確認する手間がないことや、受検者の方が部屋を録画されたり、ご自身のパソコンに専用のアプリをダウンロードしたりといった必要もなく、セキュリティやプライバシーの観点をケアできることもメリットだと捉えました。
さらに、有人監督だからこそ、受検の手続きに際して困っていらっしゃる応募者がいる際にはフォローを行うことまで対応しています。
 

監督といっても黙って見ているわけではなく、コンシェルジュのイメージなのですね。どのような方が監督者をしているのでしょうか?

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池田:

あらかじめ定めたスキルの基準をクリアした方のみが監督者となります。本番までには何十回とロールプレイングを繰り返し、指導者役が細部にわたりフィードバックを行ったうえで実務に当たっていただいています。
監督者は応募者の画面・表情を確認しているため、例えば「IDが見つからなくて困っているな」といった状況を察知し、その場で受検依頼メールを探していただくようにフォローすることが可能です。通常のWeb試験であればIDが分からない場合はヘルプデスクに問い合わせを頂く必要性がありますが、その場で監督者からフォローさせていただける点については、スムーズに受検いただける上でプラスの面だと考えています。実際に、受検完了時に受検者の方から「おかげで安心して受検できました」とお礼をお伝えいただくことも珍しくありません。

 リアル会場と同水準の不正検知の品質を実現することに対する、
こだわりの背景について改めて教えてください。

園田:
テストセンターとWebテスティングの間、くらいの水準ではなく、対面会場と同じ水準を目指す、という点については強いこだわりを持って意思決定を行い、実現まで進めてきました。
同水準の品質を実現することは、勿論簡単ではなく、パートナーともあらゆる点を議論し、サービスを組み立てていく必要がありました。
それでもそこにこだわったのは、応募者の方がご自身の意思で対面会場・オンライン会場を選択できる、かつ、どちらの受検結果についても安心してご利用いただける状態が、応募者・企業双方にとって非常に重要であると考えたためです。「コロナ禍で、学生さんに不安な思いをさせたくない」「一方で、不正受検は絶対に見過ごしたくない」というお客様からご要望を頂くなかで、リアル会場と同じ水準の不正検知の品質を兼ね備えたオンライン会場を実現することは、必須であると捉え、こだわりを持っています。
 

202210月のリリース後の反響はいかがですか?

池田:
リリースから約3カ月たち約半数の受検者がオンライン会場を選んでいます。つまり、今までにまったくなかった選択肢が半分の受検者に選ばれています。
その半数は、これまでであれば、しょうがないから対面会場に足を運んでいたか、受検をやめていた・諦めていた人たちなのだと思うので、それはすごいことだなと感じています。

園田:
オンライン会場は受検者の居住地を問わず受検することも可能です。これまで地域によってはテストセンター会場の営業期間により採用活動時期に制約があったお客様が、より最適なスケジュールで採用時期を設定することにもつながっています。 

最後にこれからのSPIについて一言お願いします。

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園田:

創業以来、性別や学歴だけで就職先が決まるのではなく、一人ひとりの個の可能性が広がる採用の在り方を目指しています。適性検査の測定品質の高さはもちろん、公平公正な受検機会を広く提供し続けることについて引き続き尽力していきたいと考えています。
就職活動で応募者の方の個性に光があたり、その方に合う企業とのマッチングを支援する、それが企業の事業成長につながっていく、というSPIの役割自体は変わらないと思います。そのうえで、環境変化やオンライン化をはじめとした技術的動向を踏まえ、お客様企業・受検者双方にとって利用いただきやすいサービスに磨いていくことについては、継続的に取り組んでいきたいと思います。
SPIは今後もより良いサービスに進化し続けていきますので、安心してお使いいただければと思います。



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