お役立ちコラム

「能力検査」と「性格検査」の特徴とは?
適性検査の種類や内容を解説

2021年04月21日
  • 適性検査の比較ポイント
  • SPI3の特徴

自社で長期的に活躍する、求める人物像に近い人材を採用するためには、候補者の能力や性格を深く理解したうえで、自社における適性を確認することが重要です。適性検査を利用することで、候補者の能力や性格を深く理解することができます。ここでは、適性検査における能力検査と性格検査それぞれの特徴と、見極められる内容などについて解説します。



適性検査は何のために行われる?

適性検査は、人材の能力や性格を定量的に把握するために行われます。

適性検査の結果は、主に採用時の応募者が自社の求めている人材として適しているかを見極めるために活用されます。そのほか、すでに働いている社員を対象に適性検査を行い、採用要件を策定するための材料として活用されることもあります。

適性検査によって基礎能力や性格の特徴、職務・組織への適応力などが数値化されることで、自社にとっても応募者にとっても適切な人材配置を行いやすくなります。

詳しくはこちらの記事も併せてご覧ください。

>>適性検査とは?押さえておきたい活用方法や検査の種類について

●適性検査の受検方式

適性検査の受検方式には、主に以下のような種類があります。

適性検査の受検方式

●適性検査の所要時間

適性検査の所要時間は検査の内容と受検方式により異なります。

検査の内容が「性格と基礎能力」の場合、テストセンター、インハウスCBT、WEBテスティング方式で約65分、ペーパーテスティング方式で約110分です。
検査の内容が「性格」のみの場合、インハウスCBT、WEBテスティング方式で約30分、ペーパーテスティング方式で約40分です。

適性検査の「能力検査」と「性格検査」

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適性検査は、採用の精度を上げるために人材の能力や特性を定量的に図るために行われます。企業にとって採用ミスマッチの可能性を低減できることは大きなメリットであり、多くの企業で導入されている検査です。

>>適性検査の活用法やテスト形式について詳しくはこちら


そんな適性検査にはさまざまな種類があり、受検者の知的能力やパーソナリティを客観的に見極める手段として活用されています。

中でも、採用シーンにおいてよく使われているのが、「能力検査」と「性格検査」の2つです。

能力検査:候補者の思考力や知識量をチェックできる

能力検査では、課題に対して合理的に思考できるか、効果的・能率的に事態を処理できるかどうかといった能力を問うテストが行われます。

能力検査の方法は、大きく下記の2つがあります。

<能力検査の方法>

・客観式
客観式は、選択肢から選んで回答する形式です。問題作成に専門的な技術が必要ですが、採点が簡単です。

・記述式
記述式は、自由に文章で回答する形式のことです。問題作成が簡単で、採点時に表現力や文章力も確認できるのがメリットです。一方、採点基準を明確にするのが決して簡単なことではなく、採点には労力がかかります。

【SPI3能力検査の例題】

問題例:下線部のことばの意味を考え、意味が最もよく合致するものを1つ選びなさい。

火を消すこと

A.    火事
B.    火気
C.    消火
D.    発火
E.    放火

問題例:以下のような丸テーブルに①から⑥の6つの席が用意してある。そこに、P、Q、R、S、T、Uの6人が座る座り方を考える。

適性検査の問題例

PとQが向かい合って座らない座り方は何通りあるか。

A.    48通り
B.    72通り
C.    120通り
D.    144通り
E.    288通り
F.    432通り
G.    576通り
H.    648通り
I.    720通り
J.    AからIのいずれでもない



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性格検査:人物の性格的な特徴を捉え、特性の理解に役立つ

性格検査の内容は、適性検査を提供する会社によって異なります。「尺度」と呼ばれる人物特性を表す項目があり、その得点の高低によって性格特徴の強弱を示すものが多いでしょう。

性格検査の方法は、「質問紙法」「投影法」「作業検査法」の3つに分けることができます。

<性格検査の方法>

・質問紙法
質問紙法は、たくさんの短い質問に「はい」「いいえ」で答えていく形式で、実施が簡単で採点もしやすいことから、日本の採用シーンでも多く用いられています。

受検者により回答を意識的に歪めることができてしまうため、歪みを測定する質問項目を混ぜたり、回答の傾向から歪みを検出したりします。なお、リクルートが提供するSPIも質問紙法です。

・投影法
投影法は、描かれた木からパーソナリティを分析する「バウムテスト」、図が何に見えるかの回答によって深層心理を探る「ロールシャッハ法」などが代表的です。

実施や採点に時間がかかり、解釈にも知識が必要であることから、採用シーンではあまり使われません。

・作業検査法
作業検査法とは、単純作業を継続的に行う過程における作業量の変化から、性格を推し量る方法です。

作為的な回答がしづらい反面、結果の診断に専門的な知識が求められます。

【SPI3性格検査の例題】

以下の質問はあなたの日常の行動や考えにどの程度あてはまりますか。最も近い選択肢を1つ選んでください。

1.    いろいろなところに出かけるのが好きだ
2.    何ごとも継続が大切だ
3.    あまり欲がないほうだ
4.    立ち直りは早いほうだ
5.    新しいものは何でも試してみたい

〔選択肢〕
●    あてはまる
●    どちらかといえばあてはまる
●    どちらかといえばあてはまらない
●    あてはまらない


能力検査と性格検査、どちらの検査が最適か?

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多くの企業では、能力検査と性格検査を両方行いますが、どちらか一方のみという企業もあります。どちらの検査を行うかは、それぞれ見極められる内容を把握した上で適した検査を選びましょう。

能力検査と性格検査、それぞれどのような人材を見極めたい場合に利用するといいかをまとめました。

● 能力検査で見極められる内容

能力検査は、下記のような人材を見極めたい場合に向いています。

・問題に対して、合理的でロジカルな思考にもとづいた効果的な方法を提案できる
・複雑な問題を整理して理解する
・過去の知識を応用できる
・相手のニーズを的確に捉えて行動できる

● 性格検査で見極められる内容

性格検査は、下記のような人材を見極めたい場合に向いています。

・自社の価値観や風土にマッチする
・仕事に対して意欲的である
・前向きにチャレンジできる
・仲間とコミュニケーションをとりながら働ける

能力検査と性格検査は両方用いるほうが良い
求める人物像が明確で会社の方針が定まっている場合は、能力検査と性格検査のどちらか一方のみの検査にすることも有効です。しかし、基本的には両方をいっしょに使うことをおすすめします。しっかり定着して活躍してくれる人材を採用するには、一面的な能力の有無や性格の向き不向きのどちらかではなく、両方を推し量ることが大切だからです。能力は高いものの周囲と打ち解けられなかったり、組織風土になじめず十分に能力を発揮しきれなったりすると、早期離職につながることもあります。自社で定着・活躍する人材を採用するために、能力と性格の両面から適性を検討するようにしましょう。

SPIにおける能力検査と性格検査の信頼度

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能力検査と性格検査を兼ね備えた適性検査は多くありますが、その中でもリクルートが提供するSPIは、「面接で見えにくく、入社後に育成しにくい領域を測定できること」と、母数の多さによる「妥当性」において、特に強みがあります。

この採用時に見るべき測定領域と妥当性は、どちらもSPIの品質に関わる重要な要素です。それぞれ、詳しく見てみましょう。

● SPIの測定領域

SPIでは、面接で見えにくく、入社後に育成しにくいといわれる領域を総合的に測定しています。能力検査と性格検査では、下記について測定が可能です。

・能力検査でわかること
どの職種にも共通して求められる課題に対して論理的に思考し、効率的・能率的に事態を処理できる能力。

・性格検査でわかること
人との接し方や仕事への取り組み方、目標設定の仕方、組織や職務への適応力といった受検者の性格特徴。



● SPIの妥当性

妥当性とは、SPIの結果が妥当であったかを後追いで検証した、品質に関する要素のひとつです。

過去40年以上にわたって蓄積してきた膨大なSPIの結果と、受検者の入社後の人事評価を照らし合わせ、SPIの結果と入社後の人事評価との相関関係を検証しています。その結果、能力検査や性格検査において、高い妥当性を備えていることが、SPIの強みとなっています。

なお、SPIの品質については、複数回受検しても結果が大きく変わることがなく、不自然な回答傾向を察知して検査結果に反映する「信頼性」や、偏りのない大量のデータにもとづいて相対的に受検者の位置づけをする「標準性」の高さも備えています。

SPIで、将来の活躍を見据えた採用をしよう

適性検査の結果をもとに受検者の将来的な活躍を予測するには、能力検査と性格検査の両方から多面的に受検者の傾向を見ることが重要です。それぞれの検査のみを用いることも可能ですが、いっしょに用いることで企業にしっかりと定着する人材の見極めに役立ちます。

面接で見えにくく、入社後に育成しにくい領域を測定でき、能力検査と性格検査の両方を行えるSPIで、組織になじみ、長期的に活躍してくれる可能性が高い人材の採用を目指しましょう。

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