お役立ちコラム

ポテンシャル採用を
第二新卒・中途採用で検討するメリットとは?

2020年03月23日
  • 採用のノウハウ

ポテンシャル採用とは、未経験分野での募集に対して、候補者の実績や経歴ではなく、潜在的な能力を見定めて採用の可否を判断することを指します。新卒の場合は、社会人としての経験があまりありませんので、潜在的な能力=ポテンシャルだけを見ることになります。第二新卒や中途採用の場合は、未経験分野で採用する場合に、社会人経験にプラスしてポテンシャルを見定めて採用を検討します。今回は、ポテンシャル採用のメリット・デメリットと、実施する際の注意点について解説します。

潜在能力を見極めるポテンシャル採用とは?

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ポテンシャル採用とは、その人の現在の能力ではなく、潜在能力を重視する採用手法です。

現時点で募集する職種に必要な知識や経験がなくても、入社後の育成で十分に成長できる潜在能力があるか、希望する資質を持っているかどうかを測ることに主眼を置きます。

ポテンシャル採用が可能な年齢層に明確な定義はありませんが、社会人になって日が浅く、ゼロから新しい分野にチャレンジしやすい20代までの「第二新卒」「既卒」と呼ばれる層を指すことが多いでしょう。一般的に30代に入ると、ある程度のスキルや専門性が求められるようになります。

ポテンシャル採用が行われるようになった背景として、まずは人材不足が挙げられます。日本は、長きにわたる少子化傾向によって、人材業界は完全な売り手市場となっています。この状況は企業側から見ると、即戦力となる人材がなかなか獲得できません。特に、即戦力人材からの応募が少ないということも起こっています。

また、たとえ募集する職種の経験者であっても、どの程度のポテンシャルを持っているのかを見るのは、大切なことです。

なぜなら、第二新卒や中途採用の場合、採用後の育成が新卒入社の研修ほど手厚く行われないことがあるからです。しかしながら、企業側は即戦力として新卒採用者よりも早期の立ち上がりを求める傾向があります。企業としては、本当は経験者を採用したいのが実情ですが、前述のとおり人材不足で、経験者で絞ってしまうと応募数が減ってしまうのです。

そこで、募集の間口を広げ、職種の未経験者であっても採用することになります。このとき、候補者を見るべきポイントとして挙げられるのが、ポテンシャルです。

こうした状況を受けて、未経験者はもとより経験者に対しても、自社とのマッチングを重視するポテンシャル採用が注目されています。


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ポテンシャル採用のメリット・デメリット

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続いては、ポテンシャル採用におけるメリットとデメリットについてまとめました。

<ポテンシャル採用のメリット>

● 初期の教育コストを省くことができる

ポテンシャル採用の人材は、新卒採用と違ってある程度の社会人経験があり、基本的なビジネスマナーや対人スキルは身についています。改めて研修をする必要がないので、初期の教育コストを抑えることができるのです。

フレキシブルな人材育成ができる

ポテンシャル採用のメリットとしては、フレキシブルに育成がしやすい点が挙げられます。

前述のとおり、第二新卒や中途採用の場合、すでに社会人としての言葉遣い、ビジネスマナーといった基礎的なスキルは身につけていますので、社会人研修といったカリキュラムは不要です。

業務に関連するスキルの習得に集中することができるとともに、本人の希望と適性を踏まえ、どこのポジションでどんな業務にあてるのか、柔軟に決めていくことができます。

カルチャーマッチする可能性が高い

経験者採用の現場で聞かれることとして、前職でのやり方に固執するなどこだわりが強く、職場になじまないといったミスマッチがあります。しかし、未経験であればその心配は少なくなります。

また、ポテンシャル採用なら候補者の数も多くなるため、自社の企業文化に合った人材を見つけやすくなるでしょう。そのような人材ならばカルチャーマッチする可能性が高く、早期退職の予防にもつながります。

つまり、社会人としての基礎的なスキルを身につけた状態から、柔軟な人材育成が可能になるということです。

<ポテンシャル採用のデメリット>

● 選考基準が曖昧になりやすい

ポテンシャル採用は、選考基準が曖昧になりやすいというデメリットがあります。

キャリア採用であれば、経験や実績などわかりやすい基準を設けることができますが、ポテンシャル採用の場合は、候補者のコミュニケーションスキルや問題解決能力、仕事に対する意欲や価値観など、目に見えず客観的に表現しにくいものを評価することになるからです。

ポテンシャル採用者用の教育プランが必要になる

ポテンシャル採用の場合、専門的な技術やスキルを習得するための、専用の教育プランが必要です。

ただし、育成コストについては新卒採用の場合でも同じことですし、デメリットというよりは必要なコストと捉えておいたほうが良いでしょう。

ポテンシャル採用で自社に合った人材を採用するためのポイント

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デメリットの項目で挙げたとおり、ポテンシャル採用の基準は定量的に評価しにくいため、どうしても曖昧になりがちです。続いては、ポテンシャル採用の面接の際に見るべきポイントについて確認しておきましょう。

● 社会人としてのマナー
基本的にポテンシャル採用の人材は、前職でビジネスマナーの基礎を身につけていることがほとんどですが、そのレベルには差があります。

その人のマナーが自社の求めるレベルに達しているかどうか、念のため面接で確認しておきたいところです。

● 成長意欲
採用時点での知識や能力よりも、将来性を期待して採用するポテンシャル採用では、成長意欲の有無も重要なチェックポイントです。

自社や仕事内容に対する興味の度合いのほか、自己研鑽のためにしていることなどを聞き、伸びしろを確認しましょう。

● カルチャーマッチ
ポテンシャル採用は社会人経験が短い分、前職の影響が少なく、新しい環境を受け入れやすいといわれています。

しかし、長く活躍するには、カルチャーとの親和性の高さが欠かせません。社風や既存社員の雰囲気、仕事の進め方、キャリアビジョンなどにどれくらいマッチしているか、忘れずにチェックするようにしましょう。

● 前職の退職理由の妥当性
前職の退職理由には、その人の考え方や志向性、仕事への向き合い方などが反映されやすいものです。

なぜ退職したのか、どのような点を不満に思っていたのかについて聞き、自社で長く活躍できるかどうか、判断の参考にしましょう。

ポテンシャル採用を成功させるには?

ポテンシャル採用を実施するにあたり、重要になるポイントを2つ挙げておきましょう。ひとつは「ポテンシャルの定義」、もうひとつは「適性検査の活用」です。

● 自社におけるポテンシャルの定義を決めておく

ポテンシャル採用では、キャリア採用のように過去の実績や経験のような判断基準がありません。「潜在能力」や「可能性」といった抽象的なものを測らなくてはならないのですから、実施にあたっては、まず「自社におけるポテンシャルの定義」をきちんと決めておくことが肝要です。

企業が候補者に求めるポテンシャルを明確な言葉で表すと、リーダーシップ、チームで動ける協調性、速く的確な判断力、粘り強さ、論理的思考力、発想力などが挙げられます。また、ポテンシャル採用では、候補者によっては未経験の業務を手掛けることになりますから、学習能力やチャレンジ精神も不可欠でしょう。

配属部署によっては「コミュニケーション能力以上に、発想力が欲しい」「異なる意見の調整能力が必要」など、要求される能力にも違いがあるはずです。各部署の現場とも十分にすり合わせを行い、ポテンシャルの優先順位を確定しておきましょう。


● 適性検査で候補者を深く知り、ずれの少ない採用を実現する

ポテンシャル採用では、候補者の人となりをいかに見抜くかが重要です。しかし、人となりは過去の実績や経験のように形のあるものではなく、しかも面接者の主観によってその判断が異なる場合があります。これでは、自社にとって有益な人材を、逃してしまうかもしれません。

そうしたリスクを軽減してくれるのが、適性検査の活用です。

適性検査は、候補者を深く理解できる検査です。その人がどのような適性を持ち、それが仕事やコミュニケーションの場面でどのような行動や発想となって表れるかというところまで、理解することに役立てられます。

適性検査を選考に加えることで、候補者の募集する職種に対する適性を見ることができますし、採用した場合にどのような環境を用意し、どのようなコミュニケーションを図っていけば良いのか知ることができます。

つまり、自社にとっても候補者にとっても、ミスマッチが生じにくい採用を実現することができるのです。

適性検査で候補者を理解し、採用のミスマッチを防ぐ

第二新卒・中途採用において、候補者自身のポテンシャルを見ることは、とても大切です。しかし、ポテンシャルという可視化しづらい判断材料を用いるため、採用基準が曖昧になりやすくなってしまいます。そのデメリットを補う方法として、適性検査の活用をおすすめします。

適性検査を活用することで、候補者の資質を知ることができますので、自社が求めるポテンシャルを持つ人材かどうか、判断する一助になるでしょう。適性検査の活用で採用のミスマッチを防ぎ、より希望に近い人材の採用を実現してください。


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※調査概要
調査概要及び調査方法:適性検査サービスを対象としたデスクリサーチ及びヒアリング調査
調査期間:2023年9月8日(金)~9月22日(金)・12月15日(金)
調査実施:株式会社ドゥ・ハウス(2024年1月1日より株式会社エクスクリエに商号変更します)
比較対象企業:適性検査サービス展開企業 主要20社


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