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人事におけるアセスメントとは?
定義や導入のメリットについて解説
効率的かつ効果的な人事判断を下すため、近年取り入れられている手法に「アセスメント」というものがあります。耳にしたことはあるものの、実際に詳しくはわからないという方も少なくないのではないでしょうか?
今回は、企業の人事におけるアセスメントについてそのメリットも含めわかりやすく解説していきます。また、アセスメントツールの一つである"適性検査"についてもまとめました。
適性検査をアセスメントツールとして導入する際のステップについても解説しているので、ぜひ最後まで目を通してみてください。
INDEX
アセスメントとは?
アセスメント(assessment)は、「客観的に評価や判断をおこなう」という意味があります。
現状の課題を解決するため、人や物事が与える影響を客観的に評価する際に活用されるもので、ビジネスシーンをはじめ、医療や福祉などの現場でも活用されています。
第三者が評価する際に、主観や先入観によって判断が偏るのを防ぐことができるのがアセスメントの長所であり、近年注目されている手法の一つです。
アセスメントと人事評価との違い
ここで多くの人が疑問に思いがちなのが、アセスメントと人事評価との違いです。
アセスメントが第三者による客観的な評価であるのに対して、人事評価は日頃の仕事ぶりや業績をもとに上司が下す評価を指します。
上司が普段見えていない潜在的な能力や特性まで分析できるアセスメントは、人材のポテンシャルを最大限に引き上げるきっかけとなることもあるでしょう。
企業の人事におけるアセスメントは2種類
企業の人事におけるアセスメントは、
・人材アセスメント
・組織アセスメント
の2種類に分けることができます。
それぞれについて、以下で詳しくみていきましょう。
●人材アセスメント
人材アセスメントでは、人材育成や人材配置を適切に行うことを目的として、その人が持つ特性や能力などを評価・分析していきます。
人材の内面に関する情報は可視化しづらく、判断する人との相性によって偏ってしまうことがあります。その点、人材アセスメントを取り入れることで定性的な情報を数値化し、高い精度で採用や人材配置、育成などに活用できるようになります。
●組織アセスメント
組織アセスメントは、部署やチームの現状を把握するためにおこなうアセスメントです。アセスメントがおこなわれる対象はその組織に所属する人なので人材アセスメントと混合しがちですが、以下のような違いがあります。
・人材アセスメントの評価・分析対象:人材の特性や能力
・組織アセスメントの評価・分析対象:組織の傾向や現状
人材アセスメントと組み合わせておこなうことで組織の状態、人材の特性の両面を把握することができ、より実態に即した効果的な改善策を講じることができるでしょう。
アセスメントを導入することによるメリット
アセスメントを企業に導入することによるメリットとして挙げられるのは、次の3つです。
●採用のミスマッチを防止できる
アセスメントを導入することで、応募者の特性や能力を数値として把握することができます。これにより、求めている人材とのミスマッチを防止でき、効率よく採用をおこなえるのがアセスメントを導入するメリットの一つです。
採用の際におこなった適性検査のようなアセスメントの分析結果は、採用後の配属にも活用できます。
●リーダーや管理職を適切に配置できる
リーダーや管理職の配置は、組織において最も重要といっても過言ではありません。しかし、上司の主観が入った人事評価に依存した判断を下してしまったことで、想定よりうまくいかなかったというケースもしばしばあります。
適切な配置ができないと、その人材だけでなくチームや部署全体の士気を下げてしまうことにもなりかねません。
アセスメントの結果と本人の意思に基づいて配置をおこなうことで、このような事態を防ぐことができるでしょう。
●リーダーや管理職の育成に役立つ
アセスメントの分析結果はこの先のリーダーや管理職を育成するのにも役立ちます。
実務能力が高い人や率先してメンバーを引っ張っている人がリーダーに選出されがちですが、そうでない人にリーダーや管理職の素質があるということもめずらしくありません。
客観的に評価をおこなうことができるアセスメントを活用すれば、この先リーダーや管理職として活躍できそうな人材を見極めることができるため、育成の効率がぐんと良くなります。
リーダーや管理職の適性について詳しくは以下のサイトを併せてご覧ください。
>>管理者適性検査NMAT(エヌマット)公式サイト
効果的なツール"適性検査"を取り入れよう
アセスメントをおこなうにあたって効果的な手法の一つが"適性検査"と呼ばれるツールです。
リクルートマネジメントソリューションズによる適性検査「SPI」では、人材の性格的な特徴をとらえる「性格検査」と論理的思考力や情報処理能力を測る「能力検査」の2つの検査を組み合わせておこない、人材の持つポテンシャルを可視化します。
適性検査によって分かる人材の特徴や適性の傾向は、アセスメントの施策として採用や人事配置、組織の構築に活かすことができます。
適性検査について詳しくは以下の記事を併せてご覧ください。
>>適性検査とは?押さえておきたい活用方法や検査の種類について
適性検査をアセスメントに導入する際のステップ
それでは、適性検査をアセスメントのツールとして取り入れる際のステップを見ていきましょう。
1.目的を明確にする
2.対象の人材に合った適性検査の実施方法を選ぶ
3.測定後、結果を分析し施策に落とし込む
といった流れで進めていきます。
1. 目的を明確にする
まずは、アセスメントツールを導入する目的を明確にすることが最も重要です。目的を定めずに適性検査をおこなうと、人材や組織の特性が分かっただけで、その結果をどのように施策に落とし込むかがわからなくなってしまいます。
今回は、解決すべきことが採用の精度アップなのか、マネジメント人材の不足なのかなど、アセスメントツールを導入することで解決したい問題を明確にしておきましょう。
2. 対象の人材に合った適性検査の実施方法を選ぶ
アセスメントをおこなう目的が明確になったら、どのような方式で適性検査をおこなうかを選んでいきます。
適性検査には次のような受検方式があります。
なかでも、パソコンを使って受検ができるテストセンター方式、インハウス方式、Webテスティング方式の3つが近年主流となっています。また、受検者の都合がつきにくい遠方からの採用や中途採用では、受検者が環境を用意しやすいWebテスティング方式や、近くの会場に出向くだけで受検ができるテストセンター方式が活用されています。
これらを踏まえて、どの方式で適性検査を取り入れるかを検討しましょう。
3. 測定後、結果を分析し施策に落とし込む
適性検査の結果が出たら、課題解決のための施策に落とし込むため結果を分析します。共通して高い数値はどれか、不足している数値はどれかなどをチェックし、人材や組織の傾向を把握しましょう。
これにより、不足している項目を埋められる人材を採用したり、長所をさらに活かせる人事配置をおこなったりと、課題を解決する施策に落とし込むことができます。
また、育成を目的に実施された適性検査の場合は、検査を受けた人にフィードバックするのもおすすめ。対象者と上司が共通の認識を持って、今後の課題に取り組んでいくことができます。
まとめ
アセスメントを実施することは、人材育成や適切な人材配置、組織の構築において重要な役割を果たすということがわかりました。
面接や普段のコミュニケーションだけではわからない人材の特徴や能力を分析するために、"適性検査"をうまく活用して、人事判断の精度をアップさせていきましょう。
アセスメントを実施するために適性検査の導入を検討している方は、ぜひお気軽に無料の資料請求をお申し込みください。