お役立ちコラム

内定者フォローで辞退防止!
自己理解で早期立ち上がりを促す

2023年03月17日
  • SPI3の活用

内定者フォローのための自己理解

「内定を出して入社式まで何もフォローしていない。内定辞退されないか不安だ」
「入社後、ビジネスマナーなど最低限の教育しか行っていない。新入社員が不安そうに仕事をしている気がする......」

売り手市場の昨今の採用マーケットにおいては、苦労して採用した新入社員が貴重な戦力なのは、どこの企業も同じでしょう。
大事な戦力が早期に立ち上がり、元気に働いてほしいと願うものの、そのために何をやればいいか分からないという人事担当の方も多いようです。

苦慮しながらも何かしら施策を投じたとしても、内定者や新入社員が求めているフォローとは異なっているケースもあります。
むしろ「フォロー方法のピントがずれているため、この会社にいて大丈夫かと不安になった」など、悪い印象につながった困った状況も散見されるのです。

今回は、内定者や新入社員に喜ばれる「自己理解」に着目し、どのような企業でも実施できるフォロー施策を紹介します。

自己理解というテーマは、施策の方法にこだわらずとも、本人には「自分のことを考えてくれる」という企業姿勢が伝わるはずです。
ぜひ「自社の場合なら、どう自己理解を促せるか」という観点を持ちながら、ご一読いただければ幸いです。

内定者フォローのために/内定者の心情とは?

売り手市場といわれる昨今、2022年卒の大卒新卒学生の就職内定率は、96.4%の高い水準となっています。
半数以上の学生が、第一志望の企業への入社を決めている状況にあり、多くの学生たちは働く意欲に満ちあふれていることでしょう。
しかし一方で、入社にあたって不安を抱える内定者も少なくありません。
コロナ禍をきっかけに、企業の採用活動ではオンライン化が一気に広がりました。その影響で、内定者は「自分は本当に入社する会社のことを理解しているのだろうか」や「自分にフィットする会社なのだろうか」などを、実感しにくい状況があるのです。

ある内定者への意識調査では、内定者フォローについて「対面で実施してほしい」との回答が5割強となっています。
この内定者の心情を捉えた企業の関与が、入社後の立ち上がりを左右する可能性があります。
採用選考中は熱心に情報提供をしていたにもかかわらず、内定通知後は入社式まで音信不通では、内定者が不安になるのもやむを得ないでしょう。

参考:『就職白書2022 就職活動・採用活動の振り返りと今後の見通し(冊子版)』

参考:マイナビ「2023年卒内定者意識調査」


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内定者フォローのために/新入社員の心情とは?

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晴れて新入社員が入社してきました。初々しい様子に周囲も刺激を受け、職場そのものの雰囲気もリフレッシュすることでしょう。
そんな新入社員ですが、心情はどのようなものなのでしょうか。

ある新入社員意識調査での「働くうえで大切にしたいこと」の問いでは、「仕事に必要なスキルや知識を身につけること」「社会人としてのルール・マナーを身につけること」の項目が上位に挙がっています。
就労経験がない新入社員は、何はともあれ、ビジネスパーソンとしての基礎を身につけることで頭がいっぱいのようです。
それにもかかわらず「不安・苦手意識があるポイント」の質問では、「自発」というキーワードの選択率が最も高くなっています。

上記調査結果からは、基本的なビジネススキルを身につけようと必死になりつつも、自ら周囲に働きかけることは、躊躇している新入社員の様子がうかがえます。

配属後の教育を現場任せにしていると、職場になじめず質問もできない新入社員は、徐々に意気消沈していく可能性もあります。人事部門としては、採用した新入社員全員がきちんと立ち上がるまで目を配るべきでしょう。

参考:新入社員意識調査2022

「就業レディネス」が内定者・新入社員の早期立ち上がりの鍵

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働くにあたっての不安を抱えている内定者・新入社員の不安を払拭するために、企業が行うべきことの1つに「レディネス」の醸成があります。
レディネス(readiness)とは、「準備」という意味の英単語であり、1952年にアメリカの臨床心理学者であるアーノルド・ルシウス・ゲゼルによって提唱された概念です。
学生から社会人に切り替わるにあたり、心構えを整えることを「就業レディネス」といいます。就業レディネスは、「自己理解」と「社会人としての自覚を持つ」という2つの要素で成り立っています。

弊社が行った「2023年新卒採用 大学生の就職活動調査」によると、自己理解ができている学生は6割前後で、社会人としての自覚を持つ学生は5割未満でした。
仕事経験がない内定者や入社直後の新入社員にとって、「社会人としての自覚」を高めていくことは、やや難度が高いでしょう。ただし、「自己理解」は内定者でも新入社員でも対応可能なため、着目すべきポイントといえます。

参考:2023年新卒採用 大学生の就職活動調査

内定者・新入社員時代は、自己理解を高める教育・フォローが重要

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内定者・新入社員時代は、総じて「不安を抱えている」状態といえます。
企業側の関与としては、彼らの不安を払拭し、自己信頼を高める関与が求められます。では、何の情報提供を行えば不安を払拭できるのでしょうか。
多くの企業は、未就労者である内定者・新入社員には、具体的な職場や仕事の情報提供を行います。必要な情報提供ではあるものの、自己信頼を高めるためにもう1つ重要な観点は「自分が働くイメージが持てるかどうか」です。

内定者・新入社員は、働く自分を知りません。
自身の性格はこれまでの人生で、ある程度は理解しているはずですが、働く時の特徴までリアルにイメージができていない可能性があります。そのため、業務の情報提供と併せて本人の自己理解を高める仕掛けを行えば、より自分に置き換えて、働くイメージを高められるでしょう。

具体的に、この時期に自己理解を深められた場合、未来の仕事にどのような好影響があるのかを紹介していきます。

●自律的な姿勢が芽生える

自己理解が深まると、自らのスタンスや行動、思考の癖を客観的に振り返ることができるようになります。
強みや弱みも含めて理解をるため、自ずと強みを伸ばし弱みを克服するような自律的な思考になるはずです。

仮に仕事を始めて何か失敗したとしても、自分の特徴も内包した振り返りができるようにもなります。
「どう行動すべきだったか」「次はどう改善すべきなのか」を自分に問いかけて、上司や先輩の指示を待たず、自律的に軌道修正ができるようになるでしょう。

●キャリアプランを見据えて、日々の業務に取り組める

総じて、現代の若手社員はキャリア自律(Career Self-reliance)の志向が強いでしょう。
自ら主体的に、仕事の意味や価値を見出し、キャリア開発の目標と計画を描くためには、土台として自己理解が必要となります。
キャリア自律の主体者である自己の内面に迫ることで、やりたいことや大切にしたいことが明確になります。与えられた仕事をただこなすようなスタンスではなく、目指す将来像に向かってどのような経験を積むべきかを考え、日々の業務に取り組む視点が身につくでしょう。

●相手の視点で物事を考えられるようになる

自分という人間を客観視できるようになると、相手の視点で自らの行動をチェックできるようになります。
例えば、「相手が自分に何を求めているのか」「期待の水準がどこにあるのか」という他者の視点で、自らの言動を評価できるようになります。
「自分なりにがんばった」という自己満足に終始せず、相手の期待を上回ることを目指して努力するので、成長のスピードも速まるでしょう。

●成長を阻害する要因を見つけ、改善できるようになる

自己理解とは、自分の気質、性格、価値観、考え方、態度・行動などをありのまま受け止め、「そういう自分がいる」という事実を認識することです。
例えば、「他者に指示されるのが好きではない」という気質が自分にあることを理解すれば、その気質が成長を阻害する弱みになることに気づけます。自ずと「他者の意見やフィードバックに耳を傾けることが重要だ」と意識し、行動改善に努めるでしょう。
自分のなかに潜む問題を見つけ出し、改善の糸口を探すことは、新入社員の成長を左右するポイントとなります。

 

自己理解を促進するための情報提供とは

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適性検査SPI3は、人の目だけでは確認しにくい性格特徴や強み・弱みなど、人間の基本的な資質の情報を提供します。
新卒採用で活用いただくことが多いSPI3ですが、性格特徴を本人に知らせることに特化した「本人フィードバック用報告書」もオプションでご利用いただけます。
この報告書を内定者フォローや新入社員教育で活用することで、自己理解が促進され、就業レディネスを高める可能性があるでしょう。

●SPI3の本人フィードバックに効果的な2つの場面

本人フィードバック用報告書は、受検者本人が読むことを想定し、伝わりやすい記述となっています。そのため、本人にそのまま報告書を渡すだけでも、十分に喜ばれる情報提供となるでしょう。
ここでは、さらに効果を高めやすい2つのフィードバック場面を紹介します。

●内定フォローでのフィードバック

内定通知面談や内定者懇親会の際に、本人に報告書を提供するのが代表的なフィードバック方法です。
多くの企業で、入社前には会社側の情報提供がメインとなるでしょう。
それに加え、本人に関する情報提供を行えば、企業側の成長を願う姿勢や誠実さが伝わりやすくなるのではないでしょうか。

●入社後しばらく経過した場面でのフィードバック

入社後は、入社式・ビジネスマナー研修・配属先研修など、新入社員は覚えることがたくさんあります。
新入社員が気になっている「仕事の基礎知識」や「ビジネスマナー」などを習得して一段落したあたりで、SPIをフィードバックするのもお薦めです。
多少なりとも職場での仕事経験もあるため、本人も「そうか。自分は計画を立てることを重視するから、先輩の話を聞いても細かい点を知りたがるのか」など、よりリアリティを高めながら自分の特性を解釈できるはずです。

本人だけでなく、他者との相互理解としても活用可能

SPI3本人フィードバック用報告書は本人が自己理解をすることが大前提ですが、周囲との相互理解にも活用できます。お互いのタイプを理解しておくことで、コミュニケーションのすれ違いを減らすことができます。

【本人フィードバック用報告書より一部抜粋】
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内定者間でグループワークなどを実施すると、お互いの理解が進み、同期の結束が高まりやすくなります。
新卒採用の場合、新入社員・若手時代は、同期のつながりが精神的な支えになりやすいです。もし仕事がうまくいかなかったとしても、横の結束があれば気持ちを立て直せるかもしれません。
もちろん、上司や職場メンバーも新入社員のSPIを閲覧することで、本人理解が進みます。
本人が受け入れやすいコミュニケーションを心がけるようになるでしょう。

志向・仕事観面における自己・相互理解の重要性

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ビジネス環境、企業の雇用のあり方や個人のキャリアの積み方において変化が激しい状況のなかで、「どのような仕事にやりがいを感じるのか」「どういった仕事の進め方だとスムーズに働けるのか」といった仕事に関する志向・仕事観における自己・相互理解がより重要となってきています。
特に新人と上司の志向・仕事観が大きく異なることによるすれ違いは、新人のやりがいを損ね、立ち上がりを阻害するケースもあります。
SPI3 for Employeesの志向・仕事観報告書では、新人の自己理解・上司や周囲との価値観面での相互理解を促進することができます。
新人時代に仕事にやりがいを感じられるかどうかは、その後の早期立ち上がりにも大きく影響するため、内定者・新入社員時代から志向・仕事観面にアプローチすることをお薦めいたします。

▼SPI3 for Employeesの公式サイトはこちら

「自己理解」は、長い社会人生活の出発地点

今回は内定者・新入社員にフォーカスして、自己理解を促す重要性や方法について解説しました。
ただし、自己理解は何もこの両者に限って必要なことではありません。
中堅社員、マネジャー、役員層にいたるまで、長い社会人生活のどの場面でも自己理解は求められます。

さらに視野を広げると、仕事以外の生活やライフプランにおいても、自己理解は重要でしょう。自分の特性を誤解したままでは、人付き合いやキャリア選択などで、誤った道や難度が高い方を選択してしまうリスクがあるからです。

せっかく縁があり、入社してくる内定者・新入社員たち。
ぜひ彼らの今後の人生をも支援する気持ちで、SPIのフィードバック機能を活用してみてはいかがでしょうか。



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