導入事例

現人員で成長を志向する組織デザインとは
~社員一人ひとりへの深い理解という土台作り~

株式会社アトラス
目的・課題

会社のさらなる成長のために、組織デザイン専任チームを新設。まずは社員を深く理解することからスタートした。

SPI3の
活用方法

全社員にSPI3 for Employeesを実施。日々の1on1や、任意参加の雑談タイムでの開示により、相互理解やコミュニケーションを促進した。

効果

相互理解が深まりマネジメントにも好影響。データ分析により自社の強みや特徴を可視化することにも挑戦したい。

会社のさらなる成長のために“人”に集中できる部署を新設

私たちが所属している「組織デザインチーム」は、昨年新設されたばかりの部署で、組織開発や人材開発、そして採用業務を担っています。

私たちはもともとシステム開発チームやセールス&マーケティングチームで働いており、現場で働いているとき も、人への関心が強く、過去には経営に対して「会社として、もっとこんな取り組みをした方がいいのでは?」などの進言をすることもありました。現代表が就任したタイミングで「組織デザインチーム」が新設され、初期メンバーとしてアサインされたのが私たちです。会社の方針として、現在の少数精鋭の体制を継続しながら、今の組織や人材それぞれが、もう一段階レベルアップすることが掲げられました。
それを実現するために、組織や人材のことを集中して考える専門部署を作り、ゼロから組織をデザインすることを期待されました。

ただ、私たちは採用業務をはじめ人事業務はほぼ素人同然でした。採用業務はそれまでは管理系の部署が担っていたのですが、今後の成長を支える“人”に集中するために、組織デザインチームに業務移管しました。そんな状況でも採用活動を止めるわけにはいかないので、走りながら業務を習得しつつ、今まで手が回らなかった部分の改善も求められるというハードさはありました。しかし、そのような状況だったからこそ、フラットに新しい取り組みを考えることができた側面もあり、良いきっかけだったと言えるかもしれません。

人事は正解がない世界だからこそ、枠にとらわれないことが重要

現代表が就任する際に、全社員にメッセージを発信しました。そのなかの「『ここにいて幸せ』と思える会社を目指す」というフレーズが強く印象に残っています。

組織デザインチームとしても、社員の幸せのために「やれることを見つけてやってみる」ことを大事にしています。

人事は正解がない世界です。自分たちの仕事の範囲を決めず、会社や社員のためになることであれば、枠にとらわれずにチャレンジするというミッションをチームで掲げました。

例えば、リモートワーク下で、社員同士の軽い雑談が減っている状況に対しては、週に1回・15分の「雑談タイム」という仕組みを設けるようにしました。「雑談タイム」とは、自由にオンライン上のルームに入って、違う部署の人と雑談できる機会です。
他には「定期アンケート」という形で、「あらたまって課題として挙げるほどではないけど、日ごろちょっと気になっていることや困っていること」を気軽に言うきっかけづくりも始めました。

このように、社員が仕事を進めやすくなるために、ゼロから考え、土台や環境を整えることを進めてきました。

社員を深く理解することは、採用にもつながるはず

そんななかで、会社のさらなる成長のためには、まずは社員一人ひとりをより深く知ることが重要と思い、個人を理解できるツールを探していました。
当時から採用ではSPIを使っていたのですが、さらに詳細な読み取り方を知りたいと思い、「SPI読み取りセミナー」にも参加した際に「SPI3 for Employees」の存在を知りました。従業員実施に特化し、個人の志向・価値観を深掘りできる新しいSPIということを聞き、まさに求めていたものだと感じました。

社員について理解することは、採用において求職者のマッチングや見極めをするうえでも生かせるのではないかというねらいもあり、SPI3 for Employeesの実施を決めました。

スモールスタートでSPI3 for Employeesを導入し、全社員実施へ展開

SPI3 for Employeesの実施は、組織デザインチームと各部署のマネジャー10名程度でスモールスタートすることにしました。
実施した反応としては「肌感覚とフィットしている」「他者の理解が進む」と、概ね好評でした。

そこでマネジャー実施の約1カ 月後に、全社員実施へと展開することにしました。実施前にはメンバーを集めて説明会を行い、実施目的として「自己理解のため」「メンバーを理解しマネジメントに生かすため」「採用場面での自社マッチング精度向上のため」の3つを伝えて協力を求めました。

社員からの受検への拒否反応も多少は懸念していたのですが、心配するような反応は出ず、実施はスムーズでした。当社社員は、自分や他の社員を知ることへの興味が強かったことも影響したのかもしれません。

マネジメントや雑談の幅広い場面で、社員の特性が生かされるように

マネジメント場面での活用としては、1on1のなかでSPI3 for Employeesを活用して、丁寧なコミュニケーションを取るような動きが出始めています。
また、人事評価結果のフィードバックのコメントで、本人のモチベーションの高低などを確認し、相手に響きやすい書き方にするといった取り組みにもつながっています。

メンバーへの浸透施策としては、前述の「雑談タイム」のなかで「お互いのSPI3 for Employeesの結果を開示し合いましょう」というテーマの会を開催しました。
もちろん、開示したくない人もいると思うので開示するかどうかは任意としたのですが、参加者の半分以上が自分の結果を自主的に他社員に開示してくれました。参加者からは、お互いの理解が深まることで、より仕事が進めやすくなったとの感想も出ています。

差別化につながる強い自社ブランド構築へ

組織デザインチームでは、今後、より社員一人ひとりと向き合った人材開発を進めていく予定です。
具体的な施策として、来年度からは人事評価制度に個人目標の導入を予定しています。一人ひとりの目標を決めることで、今まで以上に個人ごとの成長を促していきたいというねらいがあります。一方で、現場マネジメントの負荷が上がることも予想しています。

その懸念点に対し、 組織デザインチームとしてどのような支援ができるかを検討するために、まずは全社員との面談を進めているところです。面談を通して社員の声を拾い、ヒントをもらおうと考えています。

この面談の際にもSPI3 for Employeesの結果を活用しています。これまで接点が薄かった社員と1回の面談だけで、相互理解し深い信頼関係を築くことは容易ではありません。SPI3 for Employeesの結果を事前に確認し、本人の志向や好む仕事のスタイルなどを把握してからコミュニケーションを取ることで、より本音を引き出しやすくしています。

今後の展望としては、個人理解だけでなく自社理解にもSPI3 for Employeesを活用できるのではないかと思っています。
例えば他社との比較をもとに「アトラスはこんな個性がある会社なんだ」ということを明らかにしたいと考えています。
今の時代、製品・サービスが選ばれるためには、それを作り出している社員や組織の魅力も大切です。それらを訴求していくには、まずは自分たちがそれを自覚し言語化できている必要があります。「客観的なデータ」を用いて自社の強みや特徴を示すことができれば、自社理解が進み、強みがさらに磨かれるはずです。

世のなかでの自社の立ち位置を確認し、ブランディングを強化していくことも、組織デザインチームの重要なミッションです。
今後も枠にとらわれず、会社成長のための組織デザイン施策にチャレンジしていこうと考えています。

 

株式会社アトラス

従業員数:
50名(2023年8月31日現在)
業種:
通信・情報処理・ソフトウェアサービス 
課題:
  • マネジメント
  • 組織開発

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