導入事例

人財要件の共通言語化・選考プロセス改善を実現
~採用に定量面と客観性をプラスするSPI3活用術~

三菱地所レジデンス株式会社
大卒採用
目的・課題

求める人財像を明確にし、人事と面接担当者の間の観点を揃えたい

面接以外で得られる情報も用いつつ、一人ひとりへの理解を深めたい

SPI3の
活用方法

SPI3データ分析で人財要件を明文化し、関係者間の共通言語化を図った

面接で得られた情報にSPI3結果を加え、応募者の活躍を具体的にイメージ

効果

人事から採用関係者に対し、選考観点をより正確に伝達可能になった

一人ひとりにより多くの活躍可能性を見出せ、多才な人財を採用できた

多様なフィールドで若手の頃から挑戦していく風土

私は、2020年の4月に人事に異動してきました。採用をはじめ社員教育や自己啓発の提供など幅広く担当しています。以前は、モデルルームのご案内や用地取得といった現場で働いていた経験もあるので、採用場面においても当時の経験を生かし、活躍が期待できる人財像を具体的にイメージして業務にあたっています。

当社は「住まい」を通じて「暮らし」を提供する住宅総合デベロッパーとして、用地取得から事業計画の策定・推進、販売、アフターサービスまでを一気通貫で行っています。そのため、総合職の場合は社内外問わず非常にたくさんのステークホルダーと連携し、プロジェクトをリードしていきます。それは若手社員であっても例外ではなく、実際にさまざまなフィールドで挑戦、活躍しています。

面接に関係する社員は総勢50名以上! 応募者一人ひとりと真剣に向き合いたい

私たちの扱う「住宅」という商品は、時代や環境によって求められることが変化します。特に近年はその変化が激しく、例えば少し前までは分譲マンションが中心でしたが、昨今は賃貸や高齢者向け、学生向けのマンションなど扱う商材の幅がどんどん拡大しています。そしてそうした変化に伴い「より良い商品とは?」を考えていく際の難度も上がってきていると感じます。

このような状況下で人事として感じているのは、今後は「ゼネラリスト」と「スペシャリスト」の両方の要素が必要だということです。これは、ゼネラリストのような幅広い視野と柔軟性を持ちつつ、スペシャリストのような専門性と自律的に学びを深めていく姿勢を持つ必要があるという意味で、これからの時代で活躍する人財に欠かせない要素だと捉えています。

採用場面ではこれらの観点を踏まえつつ、応募いただいた方に多くの可能性を見出し、深く理解することを重視しています。そのため、面接は基本的に1対1の形式とし、人事部門以外の現場の社員も積極的に巻き込みながら実施しています。これは当社が一人ひとりに真剣に向き合いたいと思っているからこそ、こだわっている点であり、面接に関わる社員は総勢で50名を超えます。

SPI3データ分析で、求めたい人財像の明確化と社内での共通言語化ができた

ただ、関わる人が多くなれば、選考時に関係者間で観点にばらつきが生じやすくなってしまいます。
実際に私たち人事も、選考の際に現場社員との間で「いいな」と思うポイントにズレを感じることは多々ありました。なので、そうしたズレを防ぐべく、求める人財像の言語化・明確化を図りたいと考えていたのです。

そこでトライしたのが活躍している社員の特徴分析です。
当社の求めたい人財像を明確にするうえでは、実際に今、当社で活躍している人のなかにこそヒントがあるのかもしれないと思ったのです。ただ、これを行うためには、統一されたフォーマットである程度蓄積されたデータが必要だったのですが、まさにSPI3はそれにあてはまるものだったので、SPI3データを基に分析してみることにしました。

分析結果はとても納得感のあるものでした。こちらで予め想定していた人財像を具体的に可視化・言語化することができたのです。例えば、当社は製販一体で事業を運営しているため、活躍するためには「対人面」や「課題遂行」の能力が重要だと想定していましたが、それがあらためて客観性を持った事実として出てきたのです。

感覚としては理解していたところもありますが、客観的かつ数値を伴った形で明確になると、特に大勢の関係者の間で認識を合わせるうえで大きな効果を発揮します。
これまでも私たち人事から採用に関わる現場社員の方々に「こういう人が求められています」とお伝えする機会は多々ありました。そこに今回の分析によってデータや数値が加わったことで、採用におけるポイントがより伝えやすく、また伝わりやすくなったと感じています。

面接後もSPI3は有用! 応募者の活躍する未来を丁寧に描く

実は、面接の後もSPI3は役立っています。当社では応募者一人ひとりの活躍に対し、面接の後も丁寧に向き合っています。これには面接ではうかがい知れなかった内容も含め、応募者の魅力を余すところなく見出そうという意図があるのですが、その際にSPI3の情報も参考にしています。

具体的には、面接ではコミュニケーション能力など対人折衝における印象や、面接という短時間で得られた情報に評価が左右されてしまう側面があります。しかし、SPI3データを活用することで、面接終了後に担当者間で会社が求める人財像のすり合わせを図ることや、採用人財に偏りが生じていないかの確認を行うなど、時間をかけて冷静な判断をすることが可能になるので、ここも私たちがSPI3に大いに有用性を感じている点の1つです。

他にも、一連の採用活動が終わった後に選考プロセスのフェーズごとの分析を行っています。
フェーズごとに、予め定めた観点どおりに選考を実施できたか否かを定量的に振り返ることに役立っています。「なんとなく上手くいったと思う」ではなく、一つひとつ丁寧な振り返りを行って次の採用に生かしています。

このように採用全体を通して一貫した強いこだわりを持ち、一人ひとりに丁寧に向き合っているのには理由があります。
当社は、高品質な住まいを通してお客様の暮らしに新たなよろこび・価値観を提供することを使命と捉えています。その使命を果たすべく、社員は日々お客様と真摯に向き合い続けていますが、その姿勢は採用場面でも同様です。当社に興味を持っていただいた一人ひとりに向き合い、共にお客様に対して「一生もの」の価値をお届けすることに「懸ける」仲間をお迎えしたい、そう思うからこそなのです。

成果を実感しつつ、今後も応募者や社員のさらなる可能性と真剣に向き合っていく

これまでの取り組みを通して、最近では多様な人財を採用できるようになってきたと感じています。SPI3の報告書には「組織への適応のしやすさ(創造・結果・調和・秩序の4つのうちどれを重視している組織風土に適応しやすいのか)」という項目があるのですが、以前はこのなかの「調和重視風土タイプ」が、採用した人のなかで最も多くなっていました。

しかし最近では「創造重視風土タイプ」をはじめとする他のタイプの方もたくさんいます。もちろん、私たちは最初から「このタイプは何人採用しよう」と決めたりしていません。あくまで採用後に振り返って分かったことだったのですが、まさに私たちが目指している、一人ひとりにさまざまな可能性を見出す採用が形になってきたことを実感しています。

ちなみに採用の延長線上で、配属や入社直後の立ち上げにもSPI3活用の可能性を感じています。例えば、当社の新入社員には、5月の新入社員研修の場でSPI3の結果をフィードバックしています。
これは、SPI3を通して自身を客観的に理解することで、思い込みに気づいたり、これまで気づかなかった強みを発見したり、今後のキャリアを描く際に役立ててもらおうと実施していることなのですが、そのなかでは、自己評価に自信が持ちづらい社員から「客観的に強みが示されたことで、安心して前向きな気持ちになった」と感想をもらったことがありました。まさにSPI3があってよかったと感じた瞬間でしたね。

SPI3の結果から得られる性格に関する情報は貴重です。さすがにその方の10年後の姿を予想するまでには至らないかもしれませんが、成長を期待する視点に立ちながらそれらの情報を眺めることで、こんな風に成長してくれるのではないか?当社にこんな変化をもたらしてくれるのではないか? と、一人ひとりの可能性に思いを馳せることができます。
採用選考においてはこれからも、選考時点や立ち上げ時点といった「その時点」のみの視界に閉じず、将来の活躍も見据えながら応募者に対して丁寧かつ真剣に向き合っていきたいと思っています。

 

三菱地所レジデンス株式会社

従業員数:
1,128名(2023年4月1日現在)
業種:
不動産 
課題:
  • 人材要件設計
  • 面接
  • 採用振り返り

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